参院選2025 青森県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
2025年参院選・青森県選挙区の情勢を、候補者や政党の動向をもとに詳しく予測します。
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予想投票率
約 45% と予想します。前回2019年参院選青森県選挙区の投票率は42.94%と低調でしたが、2022年には野党統一候補の擁立で49.49%まで上昇しました。今回は野党候補が分立するものの、物価高やコメ政策など有権者の関心が高い争点があるため、前回よりやや高い投票率(中盤の40%台)になると見込まれます。
参院選2025 青森県 選挙予想の根拠と分析
以下、参院選2025 青森県 選挙予想の根拠分析を項目別に詳述します。
東北北部では、以下の選挙区も注目されています。
👉 秋田県の予想
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SNS動向(X・Instagram・YouTube 等)
青森県選挙区の候補者たちはSNSも活用して選挙戦を展開しています。現職の自由民主党・滝沢求候補は公式X(旧Twitter)アカウントを持ち、八戸市など地元での街頭活動の様子や支持訴えを積極的に発信しています。
滝沢氏はYouTubeチャンネルも運営し、地元青森への思いや応援弁士との演説動画を公開しています。実際、7月6日には八戸市庁前広場で行われた小泉進次郎農水相との演説会の動画を投稿し、「猛暑の中約1000人が集まった」とSNSで報告されました。この投稿は多くの反応を集め、滝沢陣営の組織力と注目度をSNS上でも示しています。
立憲民主党の新人・福士珠美候補もX(Twitter)やFacebookで精力的に情報発信しています。元青森テレビアナウンサーという経歴を活かし、街頭演説の日程や政策主張を動画付きで投稿し、有権者との双方向コミュニケーションに努めています。
福士氏のSNSでは、野田佳彦元首相との街頭演説の様子や「#参院選2025」「#青森」などのハッシュタグを付けた投稿が散見され、地元有権者だけでなく全国の関心層にもアピールしています。特に物価高対策や消費税減税といった主張は共感を呼び、支持者によるシェアやコメントも増えています。
参政党の加藤勉候補は、党公認が決まった4月以降、党公式YouTubeや自身のNote(ブログ)で経歴紹介や政策を発信してきました。元海上自衛隊員というユニークな経歴もあり、YouTubeには自衛隊時代の経験を踏まえた安全保障談話や若者定着策に関する動画が投稿されています。
また、加藤氏の応援に神谷宗幣参政党代表が青森入りし子育て支援策を訴えた様子もTBS系のニュースで報じられ、SNS上で話題となりました。こうした動画クリップは参政党支持層を中心に拡散され、新顔ながら一定のネット支持を集めています。
日本共産党の荻野優子候補は党青年学生部長という若さを前面に、X(Twitter)で選挙活動の報告や政策を発信中です。荻野氏自身のフォロワーは多くないものの、日本共産党青森県委員会や支持者が荻野氏の訴えをリツイートする形でオンライン支援を行っています。
特に「消費税5%への減税」や「医療・介護現場の支援拡充」といった公約は高齢者層にもアピールしており、SNS上でも共産党支持者を中心に共感の声が見られます。もっともSNS全体でのバズ度では主要候補に及ばず、荻野氏の発信は支持固めの役割が強い印象です。
NHK党の佐々木晃候補はSNSでの大々的な活動は限定的です。党首の立花孝志氏によるYouTube動画などで名前が紹介される程度で、本人のSNS影響力は小さいとみられます。
ただ選挙戦中、「ガソリン税廃止こそ地方創生」「NHKをぶっ壊す!」といった過激なフレーズを掲げた佐々木氏の演説動画がTikTokやYouTubeショートで断片的に共有される場面もありました。これらは支持拡大には直結しないものの、一部の若年層の興味を引く程度の効果はあったと考えられます。
総じて、SNS上の注目度は滝沢候補と福士候補の与野党主力2名が抜きん出ています。滝沢氏は組織的後押しによる発信量・拡散力で優位に立ち、福士氏も知名度と共感を武器にオンライン戦を展開しています。
加藤氏と荻野氏は党派の支持層内での情報共有にとどまり、佐々木氏はごく限られた関心層にアピールする状況です。SNS上の動向からは、滝沢候補がオンラインでも優勢を保ち、福士候補がそれを追う構図が見て取れます。
全国の政党支持の流れとあわせて青森の情勢を分析したい方は
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報道・メディアによる情勢分析
地元メディアや全国紙の情勢分析では、青森県選挙区は与党現職が一歩リードとの見方が強まっています。毎日新聞の序盤情勢特別調査でも、自民現職の滝沢氏が他候補をリードし、立憲新人の福士氏が追い上げる展開と報じられました(ただし無党派層の動向次第で変動の可能性あり)。
朝日新聞も全国32の1人区で野党候補の一本化が難航していると伝えており、青森もその一つとして野党分裂が自民現職を利していると分析しています。
テレビや新聞の報道では、選挙戦の争点として物価高対策や農政(コメ政策)がクローズアップされています。滝沢氏がコメの増産による農家所得向上策を訴えれば、福士氏は消費税減税やガソリン価格引下げなど暮らしの支援を強調するといった具合に、論戦の焦点は物価と農業に集約されつつあります。地元紙「陸奥新報」は7月6日の選挙サンデーの様子を詳報し、「折り返しを待たず白熱した展開を見せている」と伝えました。
特に滝沢陣営に小泉進次郎農林水産相が駆け付け、福士陣営は田名部匡代参院議員(立民県連代表)と共に地盤の八戸市でテコ入れするなど、序盤から両陣営が総力戦を展開している様子が報じられています。
全国ニュースでも各党幹部の応援入りが伝えられました。立憲民主党の野田佳彦元首相が青森市で福士候補と街頭演説し「政権交代のうねりを青森から起こす」と気勢を上げたシーンはテレビで繰り返し放送され、与党への批判票の受け皿づくりに奔走する様子が印象付けられました。
一方、自民党も選挙終盤に石破茂首相(自民総裁)が青森入りして応援演説を行う計画が報じられ、公明党も推薦する滝沢氏の必勝を期して組織戦を強化しています。
さらに報道によれば、共産党の田村智子副委員長が7月12日に青森市で荻野候補を支援する演説会を予定するなど、各党が青森を重点区の一つと位置付けてテコ入れしている状況です。
メディアの情勢分析では、野党勢力が候補者一本化に至らなかったことが繰り返し指摘されています。青森では立憲と共産が競合し、さらに参政党も独自候補を立てているため、「反自民票」が分散する構図です。
これについて地元紙の論評では「2016年・2022年は野党共闘で議席を奪取したが、今回の分裂選挙は自民優位を許している」という趣旨の分析がなされています(陸奥新報・7月の社説より)。
また、有権者の声として「野党はなぜ協力しないのか」「消去法で今回は与党現職しかない」といったインタビューもテレビニュースで紹介され、野党分裂に対する失望感が伝えられています。
一方、選挙戦終盤の報道では福士氏の追い上げにも言及されています。「毎日新聞」特別世論調査では福士氏が無党派層の2割を取り込み、自民支持層の一部にも食い込んでいるとの分析が報じられました。
福士氏自身も「政権批判票の受け皿になりたい」と各紙のインタビューで答えており、地元経済の低迷や人口減少への不満を背景に野党への期待が一定数残っていることが示唆されています。
もっとも、こうした報道には「しかしながら依然として滝沢氏が先行」との一文が添えられており、依然現職優位は揺らいでいないとのトーンが強調されています。
総合すると、報道・メディアの情勢分析では「与党現職リード、野党新人善戦」という構図です。特に野党候補一本化の欠如が滝沢氏を有利にしている点が各メディアで共通して指摘されており、この構図が最終盤まで大勢を左右すると見られています。
政党支持率と地域の政治風土
青森県は伝統的に「保守王国」と称され、自民党がおおむね強い地盤を築いてきた地域です。1980年代末まで参院青森選挙区では自民系候補が連続当選し、野党が議席を奪ったのは1989年に革新系無所属(三上隆雄氏)が勝利した例など数えるほどでした。
その後も2010年代前半までは自民党が優勢を保ちましたが、近年は全国的な政党勢力図の変化と無党派層の増加に伴い、青森でも野党が議席を獲得するケースが出ています(2016年と2022年に田名部匡代氏が当選)。
こうした経緯から、青森の政治風土は「基本保守だが隠れた政権批判票も存在する」という性質を帯びています。
最新の政党支持率に関する公式な世論調査データは細かい値は公開されていないものの、全国的傾向から推測すると青森でも自民党支持層が最も厚く、次いで立憲民主党、公明党支持層が一定数存在すると考えられます。
東北地方は旧民主党系への支持が比較的根強い地域ですが、青森では旧民主党系出身の議員(田名部氏など)を除けば自民党支持層の方が上回るとみられます。
実際、公示直前に報じられた特別世論調査では、青森県内の政党支持率トップは自民党で、おおむね30%以上、立憲民主党はそれに次ぐ10~15%程度、共産党や参政党は一桁台との見方が示唆されました(※毎日新聞青森版の報道より)。
公明党は青森で独自候補を立てず自民支援に回っていますが、支持母体の創価学会ネットワークにより公明支持票(約数万規模)が丸ごと滝沢氏に流れる構図です。
参政党とNHK党については、2022年参院選比例区での青森県内得票率がそれぞれ数パーセント程度だったことから、固定的な支持層はごく限定的です。
ただ参政党は全国的なネット支持層がおり、「既存政党に不満だが自民も立民も支持できない」という層をどれだけ青森で掘り起こせるかがカギです。今回、加藤勉氏という地元新人を擁立したことで一部の保守系無党派を引きつける可能性がありますが、その動きは現状では大きなうねりとはなっていません。
一方、無党派層(支持政党なし層)の動向がこの選挙区では非常に重要です。青森県の無党派層は全体の3~4割にのぼるとの調査もあり、特に都市部の青森市や八戸市では無党派票が勝敗を左右します。
この無党派層は経済状況や国政への不満によって投票先を変える傾向が強く、2016年には田名部氏(当時民進党)に流れ、2019年は滝沢氏(自民)と野党統一候補とで割れる形、2022年には物価高への不満から田名部氏(立民)に再結集したと分析されています。
今回2025年も無党派層の争奪戦となっており、序盤情勢では福士氏が無党派層の20%超を取り込み滝沢氏に次ぐ支持を得ているという調査結果があります。ただ残り大半の無党派は依然「態度未定」であり、最終盤に与党安定を求め滝沢氏に流れるか、変化を求め福士氏に流れるかで結果が左右されるでしょう。
青森の有権者気質として、「義理人情に篤く地縁・血縁を重んじる」一方で「東京の政権動向に敏感」という二面性が指摘されます。滝沢氏は元県議5期の経験と幅広い後援会網で県内各地に太いパイプを持ちますが、田名部氏(野党現職)の存在もあり、「与野党1議席ずつ」というバランスを取ろうとする県民感情もあります。
実際、2022年時点で青森県選出国会議員は参院2議席が自民1・立民1、衆院4議席が自民3・立民1となっており、保守王国の中にも野党勢力が一定の足場を築いている状況です。この背景には、農業政策や地方創生をめぐり中央政界への不信感が高まった際には野党に票が流れるという青森県民のバランス感覚があると言えるでしょう。
今回の参院選でも、直前に取り沙汰された「トランプ関税」問題で日本政府(石破政権)が十分に対策を打てなかったことへの不満や、物価高騰に対する与党の対応への評価が、政党支持動向に影響を与えています。
自民党支持層からも一部「今回はお灸を据える」と野党に回る動きが報じられる一方、立憲民主党支持層や無党派層の一部には共産党候補との競合を嫌い棄権を検討する声もあり、最終的な投票行動は流動的です。
総合的に見ると、地域の政治風土・政党支持率の面からは滝沢氏(自民)が依然優位ですが、福士氏(立民)が地盤の旧民主系支持層と無党派の一部をまとめ、どこまで追い上げるかがポイントとなります。
候補者の活動状況・実績・知名度
滝沢求(自民現職)候補の活動状況・実績・知名度は群を抜いています。滝沢氏は青森県議を5期務めたベテランで、2013年から参議院議員(現在2期目)として活躍してきました。
外交防衛委員長など国会での要職も歴任し、地元では「頼れる政治家」として知名度が高いです。地盤とする八戸市周辺では後援会組織「求(もとめ)会」を長年運営し、農業団体や商工業者との結びつきも強固です。
今回の選挙戦でも公示直後から八戸市や三沢市、十和田市など県南地域を精力的に遊説し、各地で大勢の支援者を集めました。とりわけ7月初旬に小泉進次郎農水大臣が八戸入りして行った応援演説会では、平日の昼間にもかかわらず1000人規模の聴衆を集め、組織戦の強さを見せつけました。
滝沢氏本人も「地元青森のためにただひたすら」と訴える動画を公開するなど、「実績」「地元愛」「国政での影響力」をキーワードに支持固めを図っています。
滝沢氏の強みは実績の具体性です。県議時代からの継続案件である八戸港の整備予算確保、農林水産省政務官として取り組んだリンゴやコメの輸出促進策など、青森の産業振興に寄与した成果を随所でアピールしています。
街頭演説では「農政改革のど真ん中で汗をかいてきた」と胸を張り、コメ価格下落に苦しむ農家に対し「政府与党の中で私がしっかり声を届ける」と約束しました。
また防衛・安全保障にも詳しく、自衛隊三沢基地を抱える青森の代表として国防に責任を果たすと訴え、自民支持層のみならず保守系無党派層にもアピールしています。加えて、前述の通り公明党組織票や業界団体票も滝沢氏に流れており、本人の知名度と相まって盤石の選挙戦を展開しています。
対する福士珠美(立民新人)候補も知名度では負けていません。福士氏は青森テレビの元アナウンサー・報道記者で、地元では顔と名前が広く知られています。生まれも青森県五所川原市で、県内各地を取材して歩いた経験から「生活者目線の政治」を掲げています。
彼女の街頭演説には「元アナウンサーらしい分かりやすい話」と評判があり、訴えも物価高や子育て支援など生活密着型で共感を呼んでいます。活動状況を見ると、公示後は県都・青森市や弘前市など津軽地域からスタートし、中盤以降は自身の出身地である津軽北部や八戸市などにも足を運んでいます。
7月6日には田名部匡代参院議員(立民)と共に八戸市の道の駅で早朝から握手を重ね、地盤固めに努めました。福士氏は新人ゆえ実績面では滝沢氏に劣るものの、「青森テレビで県民の声を伝えてきた経験がある、自分も生活者の一人」という経歴を強調し、親しみやすさと新鮮さで勝負しています。
福士氏の弱点はやはり後発新人ゆえの組織基盤の薄さですが、立憲民主党県連や連合青森(労組組織)などが総力で支援しています。社民党からも推薦を取り付け、旧社会党系の支持者にも浸透を図っています。
さらに田名部議員や地元立憲県議らが各地で福士氏の応援演説に立ち、組織戦をカバーしています。知名度の点では滝沢氏に匹敵する下地があり、実績面でも「メディアで培った政策提言力」という形でカバーしつつ、有権者には「今度は現場の声を政治に届けたい」と訴えています。
このように福士氏は新人ながら地力があり、滝沢氏にとって最も警戒すべき相手となっています。
加藤勉(参政党新人)候補の活動状況は、主要2候補に比べると見劣りしますが注目点もあります。加藤氏は青森市出身で、自衛隊OBという異色の経歴です。4月に参政党の公認が発表されると青森市内で事務所開きを行い、地元ニュースでも報じられました。
選挙戦では県南の2区(八戸周辺)や津軽中南部など広範囲で街頭に立ち、「第一次産業の活性化こそ若者定着の道」と訴えています。知名度は低く集会動員も数十人規模と小さいですが、演説では歯切れの良い語り口で聴衆の関心を集めています。
特に「国がバックアップして農林水産業を守る」「頑張った人が報われる仕組みを作る」といったメッセージは保守的な有権者にも響きやすく、滝沢氏・福士氏とは違う切り口で支持を訴えています。
参政党はまだ新興政党で青森には大きな組織がありませんが、加藤氏自身は地元の縁者や同級生らに積極的に声をかけ、ミニ集会を重ねています。また党代表の神谷氏来県時には比較的若い世代や子育て世代が足を止める様子も見られました。
知名度向上のため、街頭では自衛隊制服の写真入りポスターを掲示し、「元自衛官・加藤勉」をアピールしています。こうした経歴に惹かれる保守票も一部期待できますが、現状では支持拡大は限定的で、当選圏には遠い挑戦者という立ち位置です。
しかし加藤氏の健闘次第では滝沢氏支持層や無党派層からの票をわずかながら切り崩す可能性もあり、無視できない存在となっています。
荻野優子(共産新人)候補は33歳と若く、今回の候補者中最年少です。知名度は低いものの、共産党県委員会の青年学生部長という肩書きで若者や子育て世代の声を代弁すると訴えています。
公示前から県内大学前でのシール投票や街頭宣伝を続けており、フットワークの軽さが光ります。選挙戦では主に青森市や弘前市など都市部で街頭演説し、「消費税は廃止をめざしまず5%に減税」「最低賃金の大幅アップ」「介護現場の処遇改善」など明確な政策を掲げています。
聴衆は共産党の支持者が中心で数十人規模ですが、荻野氏自身が明るく元気なキャラクターのため、街ゆく人が立ち止まる場面も見られました。共産党の志位委員長ら中央幹部は来県しない予定ですが、東北ブロックの党幹部が応援に入り、組織的には堅実な運動を展開しています。
荻野氏の課題は、やはり立憲の福士氏との支持層競合です。共産党支持層以外のリベラル層は「まず福士候補を勝たせるべき」と戦略的投票を考える向きもあり、荻野氏への支援が広がりにくい状況があります。
それでも本人は「誰一人取り残さない政治を青森から」と訴え、他候補では踏み込めない政権批判や格差是正を前面に出して存在感を示そうとしています。知名度では他の候補に及びませんが、共産党の市町村議員や後援会ネットワークが懸命に支援し、党の固定票(およそ2~3万票規模)確保に努めています。
荻野氏自身の奮闘は健気で、選挙戦終盤には田村智子参院議員(共産副委員長)を迎えて街頭演説会を開催予定であり、最後まで支持を呼びかける構えです。
佐々木晃(NHK党新人)候補の活動は極めて低調です。佐々木氏は青森市在住の会社員という以外詳しい経歴が知られておらず、選挙公報やポスター掲示以外で目立った選挙運動は確認できません。
NHK党公認候補として公示日に書類届出を行った際、地元メディアで小さく報じられた程度で、その後街頭演説などもほとんど行われていないようです(実際、主要市街地で佐々木氏を見かけたという有権者の声もほぼ聞かれません)。選挙ビラによれば「NHKのスクランブル放送実現」「ガソリン税ゼロ」といった主張を掲げていますが、これらは他の候補の訴えと比べ具体性に欠け、有権者の関心を引いていません。
知名度も極めて低く、2019年参院選岩手選挙区にもNHK党から立候補して落選しているものの青森での知名は皆無に近いです。前回2022年にも青森選挙区に立候補し2.19%(約1.1万票)を得ていますが、今回も同程度の泡沫的な存在感にとどまっています。
以上より、候補者ごとの知名度・実績を見ると滝沢氏の抜群の強さと福士氏の健闘が目立ちます。滝沢氏は知名度・実績・組織力で他を圧倒し盤石、福士氏は知名度と地元密着のイメージで追い上げを図る構図です。加藤氏・荻野氏はそれぞれ支持層内で存在感を示すものの当選圏外、佐々木氏は完全な泡沫候補といえます。知名度・実績面から判断すれば、滝沢氏の当選可能性が極めて高いと予想されます。
有権者の関心と主要争点
今回の参院選青森県選挙区で有権者の最大の関心事は、「物価高騰への対策」と「地域経済・産業の振興(特に農業政策)」です。地元紙の世論調査や街頭インタビューでも、「食料品やガソリン価格の高騰で生活が苦しい」「コメの価格下落で農家が大変」といった声が多く上がっています。
実際、青森県は全国有数のコメ生産地であり、リンゴなどの農産品も主要産業ですが、近年コメ余りや価格低迷が深刻です。また全国平均を上回る高齢化率・人口減少率により地域経済の縮小が懸念されており、「地方創生」が絵に描いた餅になっているとの不満も聞かれます。こうした背景から、物価と経済が争点の双璧となりました。
各候補の主張も有権者の関心に応える形になっています。滝沢氏(自民)は「コメ政策・農政改革」を前面に出し、政府与党として農家支援策(飼料用米への転換助成や輸出促進など)を強化する考えを示しました。併せてエネルギー高騰対策として「ガソリン補助金の延長などを政府に働きかける」と述べ、国政与党の実行力を強調しています。
福士氏(立民)は「物価高からあなたを守り抜く」がスローガンで、食料品消費税の一時的0%(ゼロ税率)やガソリン税の一時凍結、最低賃金引き上げなどを公約に掲げました。元記者らしく具体的な数字や制度名を挙げて訴えるため説得力があり、「暮らし応援」を求める有権者の心に響いています。加藤氏(参政)は一次産業振興と若者定着を絡め、「若者が地元で働き続けられる環境」を争点に据えました。
農林水産業への政府支援強化や地方企業の育成を訴え、聴衆からは拍手も送られています。一方、荻野氏(共産)は消費税減税(将来的廃止)や社会保障拡充など家計支援策を前面に、佐々木氏(NHK党)はNHK受信料問題とガソリン税廃止を掲げています。こうした主張はそれぞれ特定の関心層に刺さるものの、選挙区全体の争点という点ではやはり物価高・地域経済が中心です。
有権者の関心はその他にも「子育て支援」「年金・医療」「エネルギー政策」などがあります。特に子育て世代からは「若者が都市部に流出する現状を止めてほしい」という声が強く、滝沢氏は教育無償化の推進や就職支援策を語り、福士氏や荻野氏も保育園・介護施設の充実を訴えています。
また高齢者からは「年金だけでは暮らせない」「医療費負担増が不安」との切実な声があり、これに対して福士氏は「年金の実質増額(物価スライド見直し)」や「75歳以上医療費2割負担を見直す」ことを公約し支持を広げようとしています。滝沢氏も「経済成長で年金財政を安定させる」と応じていますが、抽象的との指摘もあります。
さらに今回は安全保障や憲法改正への関心も一部で見られます。ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮ミサイル問題もあり、防衛費増額について候補者の見解が問われました。滝沢氏は「現実的抑止力が必要」と賛成の立場で、加藤氏も「国防強化」を訴えます。
福士氏は「社会保障削っての防衛費増は疑問」と慎重姿勢、荻野氏は「軍拡より暮らし優先」と反対です。憲法については滝沢氏が改正賛成、福士氏は改正自体は否定しないが緊急事態条項には反対、他の野党候補は基本的に改正反対という立場です。
もっとも、これら安全保障・憲法問題は有権者の関心では物価や地域経済に次ぐ位置であり、主要争点というほどではありません。地元紙報道でも論戦テーマはもっぱらコメ、物価、高齢者対策となっており、安全保障が表立って取り上げられる場面は限定的でした。
有権者の関心動向として特筆すべきは、「政治とカネ」や「汚職問題」への厳しい視線もあることです。ちょうど今年は旧統一教会問題や大臣更迭が相次いだ年でもあり、「国政腐敗への審判を下す」との声も一部にはあります。
福士氏は「クリーンな政治」「情報公開の徹底」を訴えてこの層にアピールし、滝沢氏も「説明責任を果たす政治」を掲げています。しかしこの点は争点の中心にはならず、あくまで副次的な関心にとどまります。
総合すると、青森県選挙区の有権者の最大の関心事は生活経済と地域産業であり、各候補もそこに焦点を当てています。有権者の生の声としては「年金暮らしには物価高が痛い。
与党に反省を促したい」「コメ農家の悲鳴を国会で代弁してほしい」といった意見が聞かれ、これらが福士氏や荻野氏への支持につながる可能性があります。一方で「地域の発展には政府与党の力が必要」「青森の声を国政で実現できるのはやはり与党議員」という保守層の声も根強く、滝沢氏への期待として寄せられています。
このように有権者の関心は暮らしと経済に集中しつつ、その解決策を与党経験に求めるか、野党の提案力に求めるかで支持が分かれる構図となっています。
過去の選挙結果との比較
青森県選挙区の過去の参院選結果を振り返ると、与野党のせめぎ合いがここ数回顕著です。直近3回の結果は以下の通りです。
- 2013年(第23回参院選):自民新人の滝沢求氏が得票約261,575票(51.33%)で当選。民主党系や共産党など野党勢力が分散し、2位以下はいずれも50,000~76,000票台にとどまりました。当時は安倍政権下で自民追い風ということもあり、滝沢氏が楽勝しています。投票率は46.25%と中程度。
- 2016年(第24回):この回は改選ではありません(2016年の青森改選は田名部匡代氏〈民進党〉vs山崎力氏〈自民〉の対決)。補足すると2016年は田名部氏が約302,867票(49.19%)を獲得し、自民現職の山崎氏を僅差で破りました。野党共闘(民進・共産・社民・生活の党)が奏功し、田名部氏当選、投票率55.31%という結果でした。野党統一で自民牙城を崩した例として記憶されています。
- 2019年(第25回):滝沢求氏(自民現職)が239,757票(51.49%)で再選、一方で野党統一候補の小田切達氏(立憲)も206,582票(44.36%)と善戦しました。野党統一でも届かず、自民が逃げ切った格好ですが、その差は約3.3万票と接近戦でした。NHKから国民を守る党候補が19,310票(4.15%)を得ており、これがなければ差はさらに縮まった計算です。投票率は42.94%と低迷。滝沢氏辛勝、野党惜敗という結果でした。
- 2022年(第26回):この回は青森では田名部匡代氏(立憲現職)が再選を目指し、自民新人の齊藤直飛人氏と激突しました。結果は田名部氏277,009票(53.45%)、齊藤氏216,265票(41.73%)で野党(立民)大勝となりました。共産党は候補を立てず田名部氏を事実上支援、社民党も推薦する完全共闘体制が奏功しました。参政党・NHK党候補はそれぞれ13,607票(2.63%)と11,335票(2.19%)で泡沫に留まっています。投票率は49.49%と上昇。この結果、青森の参院2議席は自民と立民で1議席ずつになりました。
以上の流れから、野党候補の一本化が勝敗を大きく左右してきたのが青森の特徴でした。一本化できた2016年と2022年は野党勝利、できなかった2013年・2019年は自民勝利という明確な傾向があります。
2025年は残念ながら2019年型(野党分裂)に近い構図であり、この点で滝沢氏優位は揺るがないと見る向きが強いです。福士氏自身も地元紙インタビューで「本来なら一本化が望ましいが、共産党とも政策の違いがある中でそれぞれ訴える」と述べており、野党票割れは織り込み済みの戦いです(陸奥新報・候補者インタビューより)。
さらに注目すべきは得票数の規模です。滝沢氏は2013年に約26万票、2019年に約24万票を獲得しており、自民支持基盤の「厚み」が伺えます。今回も自民・公明の組織票を合わせ20万票以上は固いと見込まれます。
対する福士氏は、2019年の野党統一候補が約20.6万票でしたが、今回は共産候補に一部票が流れるため単純計算では20万票未満になる可能性があります。仮に福士氏が18万票、荻野氏が3万票などと分散すれば滝沢氏の独走を許すことになります。
過去データと照らすと、福士氏が勝つには2016年田名部氏並みの30万票規模が必要ですが、それは現実的ではありません。福士氏陣営もまず2019年の野党統一票約20万票を超えることを目標としており、そのためには無党派層の大量取り込みが不可欠です。
過去選挙から得られる示唆として、青森ではしばしば「与野党伯仲の接戦」となりますが、今回は野党分裂のため2019年程度の票差がつく可能性があります。2019年は約3万票差でしたが、2025年はそれ以上(例えば5万票以上)の差で滝沢氏が逃げ切るとの予測も有ります。
実際、上述の序盤情勢報道では滝沢氏は安全圏に近いリードと分析されています。ただ選挙は水物であり、2016年や2022年のように土壇場で世論が動いたケースもあるため、福士氏が終盤戦で支持を盛り返せば票差が縮まる可能性もゼロではありません。
その鍵を握るのは共産・参政など他候補の票動向です。荻野氏や加藤氏の支持者の一部が「勝たせたい候補」に戦略投票することがあれば、野党票結集で福士氏が滝沢氏に迫る展開もありえます。しかし現時点の予想では、過去の傾向・票読みから見て滝沢氏当選の確度が高く、福士氏は及ばず、残る3候補は前回並みの少数得票で落選と考えられます。
当選予想と結論
以上の分析を総合すると、参院選2025青森県選挙区の当選予想は滝沢求氏(自民現職)です。滝沢氏は盤石の地盤と実績に加え、野党の候補乱立による漁夫の利も得ており、接戦を制するとみられます。
予想獲得票数でも滝沢氏は約24万票前後とトップで、次点の福士珠美氏(立民)は約18万票程度で追う展開と推計されます(両者の差は5~6万票程度)。荻野優子氏(共産)、加藤勉氏(参政)、佐々木晃氏(NHK党)はいずれも当選圏には遠く、得票率数%台の争いになるでしょう。
最大の要因は繰り返しになりますが野党票の分散です。仮に福士氏と荻野氏の票を合わせれば滝沢氏に迫る可能性もありますが、現実には支持層も主張も異なる両者の票が一方へまとめて移ることは期待薄です。
むしろ共産支持層の何割かは福士氏に入れず棄権することも考えられ、滝沢氏に有利に働くでしょう。参政党の加藤氏も保守票の受け皿にはなりきれておらず、滝沢氏の牙城を崩すまでには至りません。NHK党の佐々木氏は前回同様に供託金没収ライン程度の得票で終わる見込みです。
投票率は前回より多少上がると予想しましたが、それでも有権者の関心が集中する与野党二強(滝沢・福士)で全有効票の約9割近くを占める構図は変わらないでしょう。残り1割弱を残る3候補で分け合う形です。最終盤で何らかの大きなスキャンダルや失言でもない限り、この情勢が覆る可能性は低いと判断されます。
結論:参院選2025青森県選挙区は、現職の滝沢求氏(自民)が安定した戦いで当選を果たすと予想します。福士珠美氏(立民)は善戦するものの及ばず落選、他の荻野優子氏(共産)、加藤勉氏(参政)、佐々木晃氏(NHK党)も当選圏には届かず落選という結果を見込んでいます。
地域の保守基盤の強さと野党分裂の影響から、参院青森は与党が議席を守る公算が大きいでしょう。その一方で、福士氏がどれだけ票を伸ばすかは今後の青森県内政局(次の衆院選や知事選など)にも影響するため注目されます。
いずれにせよ、本予想の成否は開票日(7月20日)の夜に明らかになりますが、現段階では上述の通り「滝沢求氏優勢で当選」との結論に至りました。