参院選2025 福井県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
※上記7名は公示日に立候補を届け出た全候補者。福井県選挙区としては過去最多の候補者数です。
2025年参院選・福井県選挙区の情勢を、候補者や政党の動向とあわせて詳しく予測します。
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予想投票率
約 46%前後 と予測します。前回2019年参院選の福井県選挙区における投票率は過去最低の47.6%程度(全国平均を下回る水準)でした。今回2025年も、猛暑の中で争点がやや見えにくく、与党現職優位で「勝負あり」との見方が強いことから、有権者の関心は高まりきっていません。公示後初日から各陣営は懸命に支持を訴えていますが、有権者の熱意は限定的で、序盤情勢調査でも電話・ネットを通じた回答で投票態度未定が半数近くに上りました。以上から、投票率は前回並みかそれ以下の約45%台に留まると見込まれます。その根拠として、主要争点の不鮮明さや野党候補乱立による「消極的棄権」の増加、さらにコロナ禍明けとはいえ全国的な投票率低下傾向が続いている点が挙げられます。
福井県選挙区の構図と情勢概要
福井県選挙区(改選数1)は、与野党含め計7名が立候補する混戦状態です。現職の滝波宏文氏(自民党)に対し、立憲民主党・国民民主党・日本共産党・参政党・日本保守党・NHK党の新人6人が挑む構図となりました。1人区で野党系候補が競合するのは全国的にも珍しく、主要野党同士の候補一本化が実現しなかった11の選挙区の一つです。このため与党現職が相対的に有利な情勢となっており、序盤の報道各社の情勢分析でも「自民・滝波氏が優位」で「国民・参政・立憲は厳しい戦い」と伝えられています。以下では各候補のプロフィールと選挙戦略、支持基盤の強さなどを詳述し、最終的な票数予測と当落予想の根拠を示します。
滝波 宏文(自民党・現職、53歳)
前回2019年参院選で初当選した現職参議院議員で、農林水産副大臣など要職も務めています。保守王国福井の与党候補らしく、組織基盤は県内隅々に浸透しており、各種情勢調査でも他候補を大きくリードする優位が報じられています。滝波氏は選挙戦で原発立地地域の声を国政に届けると強調し、初週末の遊説では原子力発電所を抱える大飯町や高浜町など嶺南地域を精力的に回りました。福井県は関西電力の原発が立地する地域でもあり、原発政策への姿勢が地域の関心事です。滝波氏は与党現職として「立地地域に寄り添い、皆さんの気持ちを国政に届ける」と訴え、地元経済への影響を踏まえ原発政策の現状維持・推進を示唆しました。こうした主張は、原発誘致による交付金恩恵を受ける地域住民や保守層から一定の支持を集める要因です。また、滝波陣営は地上戦(組織戦)とオンライン発信の両輪で浸透を図っています。公式FacebookやX(旧Twitter)など複数のSNSに遊説や個人演説会の情報を連日投稿し、動画で政策提言を積極発信しています。スタッフは「政策を堂々と語る強みを前面に出す」と戦略を語っており、堅実な政策論議で信頼感を訴求しています。保守層・高齢層には地元後援会ネットワークによる対面活動で着実に支持を固め、無党派層・若年層にはSNSでアピールする戦術です。以上のように強固な地盤・看板・鞄(三バン)に加え、政府与党の追い風も受けやすい滝波氏が当選最有力と見られます。予想得票数は約16万票と断トツで、これは前回2019年に滝波氏が得た約19.6万票からやや減少を見込んだ数字です。減少予想の理由は、今回保守票の一部が参政党や日本保守党といった新興勢力に分散すると考えられるためです。それでも次点候補の倍以上の票差を付けての圧勝が予想されます。
かずえちゃん(立憲民主党・新人、42歳)
異色の経歴を持つ新人候補です。本名は藤原和士氏ですが、YouTuber「かずえちゃん」として知られ、登録者10万人超の人気チャンネルを運営するLGBTQ当事者の男性です。福井市出身で、地元で活動する傍ら台湾と日本のデュアルライフも送る個性派。立憲民主党はこの藤原氏を「かずえちゃん」の愛称そのままで公認し、全国でも珍しいひらがなニックネームでの立候補となりました。選挙戦ではLGBTQなど人権尊重社会の実現を掲げ、「一人ひとりの人権が守られ、誰もが自分らしく安心して暮らせる社会を作りたい」と出馬理由を語っています。7月5日の遊説初日には福井市のショッピングセンター前で第一声を上げ、永平寺町や奥越方面まで精力的に巡り子ども連れの有権者とも笑顔で握手を交わしました。選挙戦略としては、SNS発信に独自の工夫を凝らしています。意外にも、自身の人気YouTubeチャンネルは「選挙と活動・個人の発信は別にしたい」としてほとんど活用せず、代わりに選挙用に開設したInstagramを主軸に街頭演説のライブ配信や動画投稿を行っています。X(Twitter)やTikTokでも情報発信していますが、主に支持者との交流の場はインスタに絞り、「#かずえちゃん」を付けた投稿が拡散されるなど一定の話題性を生んでいます。とはいえ福井県の保守的な土壌では、LGBTQを前面に出す彼への風当たりもあり、知名度の割に支持拡大は苦戦気味です。「藤原和士」名義でなく愛称での立候補もシニア層にはピンと来ない部分があるようです。序盤情勢でも立憲候補の追い上げは限定的との見方で、獲得票は5万票前後と予想します。これは前回2019年に共産党候補(当時野党統一候補)が得た約7.7万票には及ばない数字です。立憲支持層やリベラル層の票をどこまでまとめられるかが課題ですが、今回は共産・国民民主も候補を立てているため票割れは避けられません。かずえちゃん自身、「野党乱立で非常に厳しい戦い」と述べつつも、「政治を諦めていた若者に投票に行ってもらいたい」とネットを通じ投票啓発にも努めています。若年層の支持掘り起こしが奏功すれば上振れも可能性としてはありますが、現状では当選圏には遠く及ばない見通しです。
山田 和雄(日本共産党・新人、58歳)
共産党県常任委員で労組活動の経験も長いベテラン政治活動家です。2019年参院選にも共産党公認で立候補し約7.7万票を獲得(得票率26.8%)して滝波氏に次ぐ次点となりました。今回は野党共闘が成立せず立憲候補との競合となりましたが、依然として固定支持層の厚みは侮れません。序盤から物価高騰に苦しむ生活者の立場に立った政策を全面に打ち出し、「何より必要なのは消費税減税だ」と訴えています。7月5日の街頭演説では早朝8時半から小浜市の卸売市場前に立ち、その後おおい町でもマイクを握り「消費税を5%に減税し暮らしを楽にする」と汗だくで主張しました。また原発政策でも「原発ゼロ」を掲げ、立地県としての福井で唯一明確に脱原発を唱える候補です。支持母体の共産党系団体・労組の組織票に加え、「野党乱立に不満なリベラル層」からの支持も一定数見込まれます。ただし前回より立場は厳しく、立憲候補が存在することで無党派リベラル票がそちらへ流れる可能性があります。SNS面では、山田氏個人はブログで政策を発信する程度でオンライン戦は積極的ではありません。むしろ地道な駅立ちやビラ配りなどオフライン活動を重視しており、高齢有権者への浸透には強みを持ちます。予想得票は約4万票。共産党支持のコア層を固めるだけなら3万票台もありえますが、立憲候補に抵抗のある一部無党派層が山田氏に流れるシナリオでは5万票近くまで伸ばす可能性もあります。しかし当選には届かず、2019年同様に次点~三番手グループでの争いになりそうです。
山中 俊祐(国民民主党・新人, 41歳)
福井市出身の医師であり、今回「減税」を旗印に掲げる国民民主党から擁立されました。国民民主党は福井県で目立った地盤を持ちませんが、山中氏自身は地方病院勤務や地域医療の経験を活かし、「医師の目線で地域課題を解決する」とアピールしています。7月5日には大票田の福井市で遊説を開始し、党の玉木代表らも駆けつけ「手取りを増やす『減税の夏』にしたい」とアピールしました。医師として介護・看護の現場で若者離職が相次ぐ現状も訴え、「処遇改善が急務」と具体策を提示しています。山中氏の陣営もSNSを積極活用しており、Xやインスタで遊説日程や政策解説のショート動画を毎日配信、さらに街頭演説をYouTubeで生配信するなどデジタル戦に力を入れています。演説動画の編集版も数時間後にアップされ、支持者が自主的に切り抜き動画を拡散する動きも生まれているとのことです。こうした努力にもかかわらず、やはり立憲・共産という他の野党勢力に埋没してしまう嫌いがあります。保守王国で国民民主党の知名度自体が低く、支持母体の連合福井も対応に苦慮しているようです。序盤情勢では「国民・参政・立憲は厳しい戦い」とまとめられ、山中氏も苦戦組に含まれています。予想得票は2万票程度で、これは全候補中4~5番手グループの成績とみられます。組織票が弱いため下振れの可能性もありますが、SNS戦略で若者層をどれだけ取り込めるかがカギとなるでしょう。
千田 崇裕(参政党・新人, 39歳)
福井市生まれの新人で、参政党(神谷宗幣代表)から公認を得ました。参政党は前回2022年の参院選比例で議席を得た新興政党で、地方でも一定の支持層を持ちます。千田氏は地方公務員出身で、「増税よりもまず無駄削減」を訴え行政改革を掲げます。遊説では「物価高で国民生活が苦しい今、取るべき政策は減税一択だ」と熱弁し、消費税廃止やインボイス制度撤廃など思い切った政策を提案しています。参政党のスローガンである「教育再生」や「伝統文化の尊重」なども盛り込み、保守層や主婦層への浸透を図っています。千田陣営はSNS発信に非常に積極的で、InstagramとXを駆使して選挙活動をリアルタイムで共有しています。驚くべきは「1日15回程度」の街頭演説ライブ配信で、演説のたびにインスタライブを行い、そのアーカイブ動画も保存公開しています。陣営幹部は「選挙戦は演説が本分。候補者の訴えをいつでも見られるようにするのが大切」と語り、地上戦での演説内容をネットで拡散する戦略です。こうした地道な訴えにより、沿道で手を振ってくれる聴衆も次第に増えているといいます。参政党は固定票こそ少ないものの、ネット発の草の根運動で支持を広げる傾向があり、福井でも無党派層から一定の票を獲得しそうです。予想得票は1.5万票前後と見込まれ、これは前回参院選(2022年)で参政党が福井県内で比例得票約1.2万票を得た実績とも概ね整合します。千田氏の票は主に自民支持に不満を持つ層や、従来選挙に行かなかった層から掘り起こされると考えられます。ただし議席獲得には遠く及ばず、序盤情勢でも「当選圏に届かない」と分析されています。
大坂 幸太郎(日本保守党・新人, 57歳)
福井市出身の会社社長で、2023年に結党されたばかりの「日本保守党」公認候補です。日本保守党は高市早苗政調会長の元秘書らが設立した新党で、「真の保守」を掲げる政治団体ですが認知度は低く、大坂氏自身も初の立候補です。「自分はごく普通の市民。誰も声を上げないから立ち上がった」と述べ、国政への挑戦理由を地域目線での政治改革としています。公約としては、恒久的な食料品の消費税ゼロ(ゼロ税率)や再生可能エネルギー発電促進費用(賦課金)の電気料金上乗せ撤廃など、具体的な減税策・負担軽減策を強調しています。サービス業や中小企業への支援拡充も訴えており、「地域経済を守る保守」のスタンスです。大坂陣営はX(Twitter)とYouTubeを駆使した情報発信に努め、毎日短い動画で公約や党の理念をわかりやすく伝えています。「SNSで見てます」「拡散協力します」と街頭で声をかけられる機会も出てきたといい、徐々にオンライン露出が実際の支持につながりつつあると手応えを語っています。もっとも、日本保守党自体が新顔ゆえ組織票は皆無であり、票読みは難しいところです。おおまかな予想では8千票程度の獲得とみています。この数字は他の保守系候補(自民・参政)に比べると極めて少ないですが、新党として健闘した場合でも1万票台前半が精一杯でしょう。当選ラインには遠く、序盤情勢でも名前が挙がることはほとんどありません。ただ、ネット上では右派・保守層の一部に共感を広げている動きもあり、結果次第では今後の地方政治進出への足がかりになる可能性もあります。
浜田 智(NHK党〈政治家女子48党〉・新人, 62歳)
大阪府在住の会社役員で、NHK受信料問題を主張するNHK党(旧称:政治家女子48党/NHKから国民を守る党)の公認候補です。公示直前に擁立が決まり、“過去最多7人目”の候補として話題になりました。浜田氏は福井県内に選挙事務所を構えず、主にSNS上の訴えに終始しています。自身のX(ツイッター)アカウントにて連日動画やメッセージを投稿し、「NHKスクランブル放送の実現」を訴えるとともに、「減税やベーシックインカム導入」を主張しています。しかし地元での知名度は皆無に近く、実際に街頭で姿を見せることもほとんどありません。他候補が蒸し暑い中で県内各地を駆け回る中、浜田氏だけは「県外からSNSで支持を呼びかけた」という状況で、公示後初の週末でも県内での活動は確認されませんでした。選挙戦後半もオンライン上で支援者に向けライブ配信を行う程度に留まっており、事実上争いの蚊帳の外という見方が大勢です。予想得票数は5千票以下とみられ、供託金没収ライン(有効投票総数の10分の1未満)に達するかどうかギリギリと推測されます。NHK党は前回2022年参院選比例で福井県内約3千票にとどまっており、今回それを上回る票を取るのは容易でありません。よほどの低投票率で一部抗議票が流入しない限り、当選はおろか供託金没収免れも厳しい情勢です。
北陸・中部エリアでは、以下の選挙区も注目されています。
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予想票数と当落判断の根拠
上記の候補者別情勢を踏まえ、当記事では自民現職の滝波氏が当選すると予想します(表中G列「当選予想」)。滝波氏の予想得票16万票は、2位以下の候補に大差をつける数字です。他候補は軒並み**「予想」=落選見込みとなります。特に次点争いはかずえちゃん(立民)と山田氏(共産)**が5万票弱で競る展開を想定していますが、いずれも当選には届きません。
今回の情勢に大きく影響した要因の一つが野党票の分散です。2019年は共産党の山田氏が事実上の野党統一候補として約7.7万票を獲得しました。しかし今回は立憲・国民・共産の三すくみとなり、これら主要野党3候補の合計票は前回並みかそれ以上となっても各候補の個別得票はせいぜい4~5万票台にとどまる見通しです。実際、朝日新聞の序盤情勢調査でも野党候補が互いに競合し合う中で「滝波氏が独走態勢」との分析がなされています。さらに保守票も無風というわけではなく、一部が参政党や日本保守党などに流出すると考えられます。ただしそれら新党勢力の集票力は限定的で、滝波氏の当選ライン(おそらく12万票以上)を脅かす水準には達しないでしょう。
滝波氏自身の盤石さも見逃せません。福井県は伝統的に自民党の強固な地盤であり、直近の世論調査でも北陸信越ブロックは自民支持率が他地域より高めに出ています(具体的な数字は公表されていませんが、全国平均で自民支持約30~40%前後のところ、当地域ではそれを上回る支持があるとみられます)。公明党が候補を立てない1人区では創価学会票も自民候補に集まります。加えて、滝波氏は農林水産副大臣として農業団体や建設業界など各種業界団体からの組織支援を受けており、保守王国の王道選挙戦を展開しています。その集票力は他候補とは桁違いで、仮に投票率が想定より上振れしても盤石の強さを発揮すると考えられます。
全国の政党支持動向とあわせて分析したい方は
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一方、野党各候補についてはSNS上の反応や街頭動員状況も参考になります。かずえちゃんはネット上での知名度は抜群ですが、実際の街頭聴衆を見ると熱心な支持者はまだ少数派です。Twitterのフォロワー数やYouTube登録者から推測される「潜在支持」はあるものの、投票行動に直結するかは未知数です。選挙戦後半には立憲民主党の泉代表や他県の有名候補が応援に入りテコ入れしましたが、大票田の福井市中心部でも聴衆の規模は滝波氏の集会に及びませんでした。山田氏(共産)は固定支持層が集まる演説では拍手も多く、組合関係者らの組織力は感じられます。しかし無党派への広がりが弱く、陣営もそれを自覚して「投票率次第では苦戦も」と漏らしています。山中氏(国民)は国民民主党の支持団体である連合福井の支援を受けますが、連合内部でも立憲系との板挟みがあり支持固めが万全ではありません。また知名度不足ゆえ、街頭演説に立ち止まる通行人はまばらとの報道もあります。**千田氏(参政)と大坂氏(保守)は、それぞれ熱心なコア支持者がSNSを介して集まりつつあります。特に大坂氏は「沿道から手を振る人が増えた」と語るなど、選挙戦を通じてゼロから支持者を増やす手応えを感じているようです。しかしこうした動きも得票ベースでは数千~1万票規模と見られ、当選には遠く及びません。浜田氏(NHK党)**に至っては、実質的な選挙運動がオンラインだけで完結しており、さすがに大多数の有権者の目には留まっていません。支持拡大策として「政見放送バズり狙い」や党首動画での売名なども考えられますが、今回そういった目立つ展開もなく終盤を迎えました。
以上の分析から、福井県選挙区は自民現職の滝波氏が盤石の強さで当選し、その他6候補は残念ながら議席には届かない見通しです。当選ラインは有効票の過半数近い12~13万票以上となる可能性が高く、滝波氏はそれを大きく上回る票を得るでしょう。一方で次点以下の順位は混戦が予想され、立憲・共産・国民の各候補が数万票台で競り合う可能性があります。特に立憲とかずえちゃん陣営は「野党第1党のメンツ」として共産・国民を抑えての2位確保を目指しており、その意味では次点争いにも注目が集まります。ただし当選枠は1つのみであり、序盤から優位を保つ滝波氏が逃げ切る公算が極めて大きいと結論付けます。