参院選2025 福岡県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
2025年参院選・福岡県選挙区の注目ポイントを詳しく予想します。
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福岡選挙区の予想投票率
約50%です。前回2022年参院選の福岡県投票率は48.76%と過去最低だった2019年から大幅上昇しました。今回も物価高や多党化による争点の明確化で有権者の関心が高まり、投票率は5割前後まで上向くと予想されます。ただし依然として全国平均並みの水準に留まる見込みです。
福岡県選挙区の情勢概要
福岡県選挙区(改選数3)は、前回2019年以降、自由民主党(自民)・公明党・立憲民主党(立憲)の現職3人が議席を分け合ってきた「指定席」とも言われる選挙区です。実際、2019年参院選では自民の松山政司氏が約58万票(得票率33.2%)を獲得してトップ当選し、公明新人の下野六太氏が約40万票(22.8%)、立憲現職の野田国義氏も約36万票(20.8%)で当選しました。この3氏はいずれも今回改選の現職候補です。一方、2019年の4位以下は共産候補の約17万票(9.8%)を最高に野党系が続き、当選圏との大差を見せつけられました。
その後、2022年参院選(福岡選挙区は他の改選枠)でも自民・立憲・公明が議席を獲得し、維新や国民民主など新興勢力は届きませんでした。このように近年は与党(自民・公明)と主要野党(立憲)が堅実に議席を確保する構図が続いています。しかし参院選2025福岡県選挙区では、新人候補10名が乱立し計13名による全国有数の激戦が展開しています。特に国民民主党や参政党など新興政党の台頭で、「もはや安全圏ではない」と危機感を募らせる声もあり、与野党現職陣営は警戒を強めています。
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現職3候補の強みと課題
自民現職・松山政司氏(66歳)
松山政司氏(自民党現職、参議院幹事長)は党幹部として知名度と組織力で一歩リードしています。2019年当選時も福岡県内トップの票を獲得しており、その地盤は依然堅固です。公示日には福岡市・北九州市・久留米市で出陣式を行い、北九州では約600人の支援者を集めるなど組織戦を展開しました。演説では「33年ぶりの高水準賃上げを実現させた」「現金給付を選択した」「ポピュリズム政党に政治は任せられない」と、与党の実績と安定感を強調しています。物価高対策でも減税より迅速な給付策を訴え、保守層だけでなく生活者目線のアピールで幅広い支持固めを図っています。課題は、有権者の関心が多党化で分散する中、自民支持層以外からどれだけ票を伸ばせるかです。もっとも大きな組織力を持つ陣営とはいえ油断せず、「現職3人は強い危機感」で臨んでいます。
立憲現職・野田国義氏(67歳)
野田国義氏(立憲民主党現職)は元八女市長の経歴を持ち、連合福岡など労組の強力な支援を受けています。2019年には旧民主系として辛くも議席を確保し、2022年には立憲候補として約43.9万票を獲得して勢いを示しました。公示日には福岡市天神で街頭演説し、地元選出の立憲議員や連合福岡の藤田会長らが駆けつけ支援を訴えました。野田氏は「今の政治は何もしない」と政権批判を展開し、食品の消費税ゼロや迅速な給付で暮らしを守ると強調。企業・団体献金の禁止にも言及しクリーンな政治姿勢をアピールしています。立憲の支持基盤に加え、無党派層や他野党支持層からどれだけ取り込めるかが勝敗の鍵です。しかし今回は共産や社民など他のリベラル勢力も候補擁立しており、一定の票割れは避けられません。それでも地元に根差した知名度と組織票で、現職の意地を見せる構えです。陣営も「指定席ではなくなった」と危機感を募らせており、総力戦で臨んでいます。
公明現職・下野六太氏(61歳)
下野六太氏(公明党現職)は元中学校教師という経歴を持ち、人柄と実績で支持を広げています。公明党の組織母体である創価学会の盤石な支援に加え、自民党支持層からの協力票も期待できます。2019年参院選では初当選ながら40万票超を獲得し2位となり、公明の組織力を示しました。今回も公示日の出陣式には山口那津男・前代表が駆けつけ激励するなど党を挙げた応援を受けています。下野氏自身は「ひきこもり支援に取り組んできた。この仕事を途中で投げ出せない」と訴え、実績の継続を強調しました。2期目へ向け「もう一度国政に送り出してほしい」と支援を呼びかけると大きな拍手が起こり、組織の結束力を印象づけています。公明の票固めは堅調ですが、3議席目の当落線上では立憲や国民民主など他党候補との競り合いも予想されます。与党協力の範囲で自民支持票の一部が下野氏に回るかも焦点です。大票田の福岡市や北九州市でどれだけ上積みできるかが、確実に議席を守るポイントとなるでしょう。
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台頭する新人勢力と主要候補の動き
現職3氏に対し、新顔の候補者10人が多士済々の顔ぶれで挑んでいます。特に国民民主党と参政党という新興勢力の躍進が注目されています。昨年の衆院選で躍進した国民民主党や、このところ支持率急伸中の参政党が「固定化された3議席」に風穴を開けられるかが焦点です。
川元健一氏(国民民主党新人・45歳)
福岡市出身で元宇宙関連企業の役員という異色の経歴を持ちます。玉木雄一郎代表も来福し応援演説を行うなど党本部の力の入れようで、保守層や無党派層に「第三の選択肢」として訴えています。国民民主は昨秋の総選挙で比例票を伸ばし存在感を示したことから、福岡でも前回2019年の約14万票(8.2%)以上を狙っています。川元氏は掲げる政策として「批判より提案」を掲げ、ガソリン価格高騰対策など具体策を強調。現職与党への批判票をどこまで集められるかが勝負です。
中田優子氏(参政党新人・35歳)
不動産会社社員として働く市井の若手候補です。参政党は最近の世論調査で支持層を急速に広げており、中田氏自身も街頭で「この30年で日本がいかに衰退したか」「国民が苦しんでいる」と現状を訴えるなど、国政刷新を掲げています。福岡市中心部の第一声には参政党の地元市議も駆け付け、党勢拡大の機運を感じさせました。参政党は2022年参院選で福岡でも7万票超(得票率3.6%)を獲得しており、中田氏はその支持層を固めつつ一部の自民支持層も取り込んでいるとされます。インターネットやSNSを駆使した草の根運動でどこまで票を伸ばすか注目です。
山口湧人氏(共産党新人・35歳)
元福岡市議で、共産党福岡県委員会のホープです。共産党は支持者の高齢化など党勢拡大に課題を抱えますが、山口氏は地方議員経験と若さを武器に奮闘しています。公示日には小池晃書記局長が応援に駆け付け、「消費税を一律5%に減税」「最低賃金1500円」を主張するなど明快な経済政策をアピールしました。ただ立憲現職の野田氏とも支持層が重なるため、前回2022年は約9.9万票と伸び悩んだ経緯があります。今回も野党共闘の不在で共産票の上積みは限定的と見られますが、組織の固い支持層を中心に一定の票を維持するでしょう。
伊藤博文氏(日本維新の会新人・56歳)
イベント会社代表を務め、大阪発の維新スピリットを掲げて挑戦しています。維新は全国的に支持を拡大していますが、福岡では組織基盤が弱く2019年は得票率4%台に留まりました。伊藤氏はSNS(X・旧Twitter等)でも情報発信しつつ、「身を切る改革」や統治機構の見直しなど維新らしい政策を訴求。維新支持層や改革志向の無党派層の票を狙いますが、現状では前回2022年の約15.9万票(7.9%)程度の勢力と予想され、当選圏には届かない見通しです。
沖園理恵氏(れいわ新選組新人・50歳)
福岡市出身のフードプランナーで、山本太郎代表率いるれいわから擁立されています。れいわ新選組は組織や団体の支援を受けず草の根選挙を展開するスタイルで、「消費税廃止」「生活困窮者支援」など大胆な政策を掲げています。沖園氏も「格差社会を生んだ古い政治を変えよう」「投票に行かなければこのままでいいということになる」と有権者に参加を呼びかけました。ただ前回2022年にれいわ候補が得た票は8万票強(4.1%)で、支持層は限定的です。既成政党離れした層の票をどこまでまとめられるかがポイントですが、現状では議席獲得までは厳しい情勢です。
那須敬子氏(社民党新人・65歳)
元県立高校教師で教育・福祉の専門家です。社民党公認候補として「男女同数の社会(パリテ)の実現」などリベラルな社会政策を訴えています。とはいえ社民党の支持基盤は縮小傾向で、福岡でも前回2022年は3万票(1.5%)に留まりました。那須氏は旧社会党支持層や教職員ネットワークへの浸透を目指しますが、野党票の競合もあり苦戦が予想されます。比例区で社民党への票掘り起こしに繋げる役割も担っていると言えるでしょう。
古川あおい氏(チームみらい新人・34歳)
地元IT企業のWEBエンジニア出身で、無所属系政治団体「チームみらい」から立候補しました。実は父親が自民党の古川康衆院議員(元佐賀県知事)という政治一家で、自民党支持層の一部にも名前が知られています。古川氏は若者の代表を掲げデジタル世代にアピールしますが、組織力は小さく得票は限定的とみられます。それでも既成政党に不満を持つ一部有権者の受け皿として、一定の役割を果たすかもしれません。
冨永正博氏(日本誠真会新人・47歳)
元福岡市議で、新たに立ち上げられた保守系政治団体「日本誠真会」公認候補です。地域密着の地盤を持つとはいえ、全国的知名度や党勢は乏しく、支持は一部地域に留まる見通しです。保守強硬層の受け皿となる訴え(憲法改正や防衛強化など)を行っていますが、得票は数万規模にとどまりそうです。
村上成俊氏(NHK党新人・54歳)
コンサル会社役員で、「NHK受信料問題を訴える」NHK党からの立候補です。NHK党は近年党名変更や分裂騒動もあり支持が低迷しており、福岡でも前回2019年はN国党候補が約4.6万票(2.6%)でした。村上氏個人の知名度も高くなく、党の争点も限定的なため、今回も数万票程度の獲得に留まるでしょう。
当落ラインと今後の展望
以上の情勢を踏まえると、福岡選挙区の当選予想は現職の松山政司氏(自民)、野田国義氏(立憲)、下野六太氏(公明)の3名で大きく動かない見込みです。序盤の各種情勢調査でも、自民現職の松山氏が一歩リードし、立憲・公明の現職2人も優位を保っていると報じられています。もっとも3番手争いは油断できず、特に公明・下野氏の票が伸び悩む場合に国民民主の川元氏などが肉薄するシナリオも否定できません。実際、与党が衆院で少数与党に転落した状況下で迎える選挙とあって、「安全なプラチナチケットではなくなった」との指摘もある通り、現職陣営は最後まで危機感を持って戦う構えです。
一方、新人勢力では川元氏(国民)や中田氏(参政)が落選予想ながら健闘し、次点グループの上位につける可能性があります。これら新興政党の得票動向は、今後の福岡の政界再編や他選挙への布石として注目されます。また、山口氏(共産)や沖園氏(れいわ)ら従来野党勢力の候補も独自の支持層を固めるでしょうが、複数の野党候補が乱立した票割れの状況では議席獲得には至らない見通しです。
最後に、福岡県選挙区は九州で唯一の改選複数区ということもあり、各党にとってシンボリックな意味を持ちます。与党側は「参院過半数維持」のためにも絶対に落とせない戦いであり、野党側も「少数与党に追い打ちをかける」足がかりを掴もうとしています。残りの選挙戦期間中、党首クラスの応援演説や政策論戦の盛り上がり次第では浮動票の動向が変わる可能性もあります。しかし現時点の総合分析では、参院選2025福岡県選挙区の3議席は現職3名が死守する公算が大きいと予想されます。投開票日まで情勢は流動的ですが、以上のような複合的な要因を考慮した予想となりました。