参院選2025 長崎県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
2025年参院選・長崎県選挙区の動向を詳しく分析します。
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長崎県の2025年参院選予想投票率
予想投票率:約50%前後
- 根拠:前回(2019年)参院選長崎県選挙区の投票率は45.46%で、その後2022年参院選では48.72%に上昇しています。2025年は候補者数が過去最多タイの6人にのぼり、有権者の関心も一定程度喚起されると見込まれます。主要候補による組織戦や激しい選挙戦が展開されていることから、投票率は前回並みかやや上回る水準の約50%程度まで上昇すると予測します。
情勢分析
長崎県選挙区(改選数1)は、自民党現職の古賀友一郎候補に対し、野党系新人の深堀浩候補ら5人の新人が挑む構図です。序盤の情勢調査では古賀氏が他候補をリードし優位に立ち、国民民主党公認の深堀氏がこれを追う展開と報じられています。以下、SNS動向、世論調査、選挙運動、過去の選挙結果、政党支持率などの観点から詳細に分析します。
SNS上での支持動向
SNSでは野党新人候補の深堀氏が積極的な発信を行っており、ハッシュタグ「#ひろしチャレンジ」などを用いた支持拡大キャンペーンも展開されています。深堀氏のX(旧Twitter)アカウントは政策や遊説予定を頻繁に投稿し、若者層へのアピールを図っています。特に深堀氏は県内各地での活動の様子を動画付きで紹介し、「地方が主役の政治」「生活者目線の改革」といったメッセージを強調しています。一方、自民現職の古賀氏はSNSで目立ったハッシュタグ運動こそないものの、公式サイトやFacebook等で自身の実績や日程を発信し、支持層固めに努めています。古賀氏陣営は石破茂元防衛相ら党重鎮の応援ツイート・来訪も取り付け、保守層への訴求力を発揮しています。
また、NHK党の神谷氏は「YouTube中心に発信しているので、テレビだけでなく情報を見て判断してほしい」と述べ、既存メディアへの不信感を支持基盤に訴えています。参政党の黒石氏や日本誠真会の高谷氏もSNSを駆使していますが、その発信力・拡散力は現状限定的で、支持層はネット上の一部コミュニティにとどまっているとみられます。
総じて、SNS上の話題量では与野党一騎打ちムードの古賀・深堀両氏が抜きん出ています。深堀氏はSNS戦略で若年層や無党派層への浸透を図りつつありますが、古賀氏の支持者層は比較的高齢でSNS非活用層も多いため、ネット上の熱量がそのまま票につながるかは不透明です。一方、NHK党・参政党などミニ政党勢力はSNSで固定ファンに訴える戦術ですが、選挙区全体で見るとSNSの盛り上がりが直接票に結びつく範囲は限定的と考えられます。
最新の世論調査結果
公示前の世論調査では、長崎選挙区の序盤情勢として自民現職・古賀氏が優位を保ち、国民民主新人・深堀氏が肉薄する構図が明らかになりました。朝日新聞の情勢調査(7月3~4日実施)によれば、「古賀友一郎氏が有利、深堀浩氏がそれを追う展開」と伝えられています。毎日新聞の特別世論調査でも同様に古賀氏先行が報じられ、政党支持率では自民党支持層が約24%とトップ、一方で無党派層が全体の47%に達しています。野党勢では立憲民主党支持が8%、国民民主党支持が6%との調査結果があり、長崎では依然として自民党の組織力が強い一方、半数近い無党派層の動向がカギとなる情勢です。
無党派層の多くは現時点で投票態度を明らかにしておらず、「選挙戦終盤まで情勢が変わる可能性」が指摘されています。このため古賀氏陣営も予断を許さず、無党派や他党支持層への浸透を図っています。他方、深堀氏は国民民主党の支持6%に加え、立憲民主党支持層8%の一部や無党派層からどれだけ取り込めるかが勝敗を左右します。共産党の支持層は全国で3~4%程度ですが、長崎では共産党候補の筒井氏が独自票を固めるとみられ、深堀氏への野党票一本化が成し得ていない点がハンデとなっています。
また、朝日新聞によると全国32の1人区のうち自民党リードは12選挙区に留まり、長崎も野党が追う展開と分析されています。長崎は与党優勢とはいえ圧勝の情勢ではなく、深堀氏が無党派層の支持をどこまで伸ばせるかで接戦に持ち込む可能性があります。
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選挙戦の展開・街頭演説と露出状況
選挙戦では、各候補が県内全域を精力的に遊説し支持拡大に努めています。自民現職の古賀友一郎氏は閣僚経験(経産副大臣など)を生かして与党の実績を強調し、「長崎の未来を切り拓く安定政権の力」を訴えています。古賀陣営は県内の自民党県議・市町村長ら地盤組織を総動員し、離島部まで隅々で集会や個人演説会を開催。7月9日には石破茂元幹事長が諫早市で古賀氏応援の個人演説会に駆けつけるなど、大物応援演説も相次いでいます。また、公明党など与党支持層や各種業界団体からの組織推薦も取り付け、盤石の態勢です。
対する深堀浩氏(国民民主)は玉木雄一郎代表ら党幹部を招き積極的に街頭演説を展開しています。玉木代表は公示前の5月にも長崎入りし、深堀氏と共に佐世保市内2箇所で街頭演説会を開催。演説では「生活者目線の本気の改革が求められている。今こそ地方の声を国に届ける時だ」と強い言葉で深堀氏への支持を訴えました。深堀氏自身も県議4期の経験を生かし、離島や過疎地も含め精力的に遊説。子育て支援の充実や地方交付税の見直しなど、具体的な政策提案を示しながら有権者に支持を呼びかけています。ただし深堀氏は新人ゆえ知名度で古賀氏に劣り、公示直後は集会動員力などで差があるとの指摘もあります。このため陣営は戸別訪問やミニ集会を重ね、草の根で浸透を図っています。
共産党の筒井涼介氏(新人31歳)は党県委員会青年学生部長という経歴で、主に若者や労働者層に「暮らし優先の政治」への支持を訴えています。筒井氏は街頭演説で物価高や平和問題を取り上げ、日本共産党への比例投票と自身への支持をアピールしています。ただ、長崎選挙区は一本化が成立せず共産候補が立ったことで、野党票分散は否めません。筒井氏は組織票固めに注力しつつ、「野党共闘不在でも独自に一定の得票を目指す」戦術です。
その他の候補では、参政党の黒石隆太氏(33歳)が各地で街頭に立ち、「時代遅れの政治を国民の力で変える」と訴えています。黒石氏は参政党の勢いに乗りつつ、一部の保守系無党派票の取り込みを狙っていますが、知名度不足は否めず苦戦気味です。NHK党の神谷幸太郎氏(49歳)は6年前の前回参院選に続く出馬で、NHK受信料問題や既存メディア批判を掲げています。街宣車から「NHK党を再び国政政党に」と支持を訴えていますが、前回得票(約1.9万票)以上の上積みは難しいとの見方が強いです。日本誠真会の高谷喜久雄氏(63歳)は今回公示直前に立候補を表明した新人で、新型コロナワクチン被害者の救済や食の安全などニッチな争点を掲げています。高谷氏は支持母体が乏しく、街頭演説の聴衆もまばらな状況で、得票は供託金没収ライン(有効票の10分の1)に届くかどうかと見られます。
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過去の参院選・衆院選の結果から見る傾向
過去の参院選では、長崎選挙区は伝統的に自民党が強さを発揮してきました。ただ近年は接戦もあり、2019年参院選では自民現職の古賀氏が258,109票(得票率約53%)を獲得し当選、一方で野党系(国民民主公認)の白川あゆみ氏も224,022票(約46%)を得て肉薄しました。当時は共産党が候補を擁立せず野党票が白川氏に集まったこともあり、約3万4千票差の接戦でした。またNHK党の神谷氏(当時N国党)は約1.9万票(約4%)を得ています。この結果から、野党が候補を一本化すれば自民候補と拮抗する土壌が長崎にはあることが分かります。
しかし2025年は野党乱立となり、2019年に野党候補へ流れた票が分散する可能性が高いです。特に、2019年に白川氏が得た約22万票のうち、日本共産党支持層や無党派左派層の一部は今回は筒井氏に流れるとみられます。また、参政党・NHK党といった第三極にも一定の抗議票が流れることが予想され、これらは主に無党派層や与党不満層の票と考えられます。結果として自民・古賀氏の相対的な有利が広がりやすい構図といえます。
衆議院選挙でも長崎は自民党が強固で、直近2021年衆院選小選挙区では自民候補が全区で勝利しています。その意味で長崎は与党支持基盤が厚い地域ですが、一方で無党派層の投票先は流動的です。有権者の約半数が特定政党を支持しておらず(前述の毎日調査で「支持政党なし」47%)、選挙ごとに争点や候補者次第で票の動きが変わります。
今回、国民民主の深堀氏は保守系野党として中道層にアピールしやすく、従来自民支持だった層からも一定の票を得る可能性があります。過去に県議4期を務めた実績から地域の後援会ネットワークもあり、一部では「自民対非自民の一騎打ち」の様相との指摘もあります。しかし、共産・参政などの影響で野党票が割れる状況では2019年ほどの大接戦には至りにくいと予想されます。
政党支持率と各党の勢い
長崎県における直近の政党支持率を見ると、自民党が約24%でトップ、以下立憲民主党8%、国民民主党6%、公明党や参政党などが各数%と続いています(毎日新聞特別調査)。無党派層が最大の47%に上るため、政党支持=投票行動ではありませんが、自民党の盤石さと立憲・国民民主など野党勢力の弱さがうかがえます。
今回候補を立てている政党の中では、国民民主党と参政党が勢いを持つとする見方もあります。国民民主党は昨年の衆院補選等でも健闘しており、玉木代表の知名度向上もあって支持率を徐々に伸ばしています。深堀氏はその追い風を受け、「しがらみのない改革」を掲げて保守層にも食い込もうとしています。参政党も2022年の参院比例で初議席を獲得し勢いがありますが、地方組織は発展途上で、長崎では支持率数%程度にとどまります。
一方、立憲民主党は長崎で候補を擁立せず自主投票となりました。支持率8%の立憲支持層の動きは分散が予想され、一部は深堀氏(国民)に流れるでしょうが、立憲と国民の路線の違いから支持者が消極姿勢になる可能性もあります。共産党は支持率3~4%程度ながら組織票は堅く、筒井氏に着実に投票される見込みです。
与党の公明党は自主投票ですが、自民現職の古賀氏を実質支援する動きがあります。公明支持票(数%)も古賀氏に上乗せされるとみられます。NHK党や日本誠真会は支持率上はほとんど計上されない泡沫勢力ですが、前者は固定のネット支持層、後者は反ワクチン等の特定層から票を集めるでしょう。ただその規模感は全体に影響を及ぼすほどではありません。
以上の分析を踏まえると、自民党の古賀氏が組織票と一定の無党派票を押さえ逃げ切る公算が大きいです。野党側の深堀氏も善戦が予想されますが、2019年のような大差縮小には至らず及ばない可能性が高いと判断します。共産・参政など他候補は概ね供託金没収ライン(得票率10%未満)に留まる見通しです。
予想総括
- 当選予想:古賀友一郎(自民現職)。盤石な組織力と知名度に支えられ、野党分散の利も得て逃げ切り濃厚。予想得票は約24万票前後で、得票率は45%前後と推定されます。
- 次点:深堀浩(国民民主新人)。前回野党統一候補並みの約20万票を獲得し善戦するも届かず。野党一本化不在が響き、得票率は約37%程度か。
- その他:筒井涼介(共産)は支持層中心に約5万~6万票(得票率約10%強)と予想。黒石隆太(参政)は新興勢力ながら2~3万票台(約5%)獲得か。神谷幸太郎(NHK党)は前回並み1万数千票(約3%)を維持し、高谷喜久雄(誠真会)は数千票(1%未満)に留まる見通しです。
上記の予想は最新の情勢やデータに基づくものですが、選挙終盤の情勢変化や無党派層の動き次第で結果が変わる可能性も残っています。特に投票先を決めていない有権者が多い現状では、各陣営とも最後まで支持訴えを強めており、投票日直前の雰囲気も注視が必要です。とはいえ現段階では「与党優勢・野党健闘及ばず」のシナリオが最も蓋然性が高いと考えられます。