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参院選2025 栃木県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)

参院選2025 栃木県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
選挙区栃木県
定員1
予想投票率50%
  • 2025年7月10日時点
当選予想
自由民主党
高橋 かつのり
(67歳)
予想獲得票数340,000票
予想
立憲民主党
板津 ゆか
(37歳)
予想獲得票数330,000票
予想
参政党
大森 紀明
(54歳)
予想獲得票数60,000票
予想
日本共産党
福田 みちお
(66歳)
予想獲得票数40,000票
予想
NHK党
高橋 真佐子
(60歳)
予想獲得票数20,000票
予想
無所属
笠間 慎一郎
(76歳)
予想獲得票数15,000票

2025年参院選・栃木県選挙区の情勢を、候補者や政党の動向をもとに詳しく予測します。
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参院選2025 栃木県 選挙予想 根拠分析

2025年7月に行われる参議院議員通常選挙は、石破政権に対する国民の審判とも位置付けられており、全国的に大きな関心を集めています。その中でも栃木県選挙区(改選数1)は、一人区として与野党の激戦が予想される重要な舞台です。過去の選挙でも一人区は政権の趨勢を占う指標となってきており、栃木県も例外ではありません。保守王国とも呼ばれる栃木県ですが、全国的な政治風向きや野党共闘の度合いによって当落が揺れることもあり、今回の選挙でも注目度が高まっています。与党・野党双方が「地方の1議席」に照準を定め、国政の行方を左右しかねないこの選挙区に全力を注ぐ構えです。

序章:2025年参院選における栃木県の注目度

本稿では、栃木県選挙区における2025年参院選の当落予想と各候補の得票数予想について、その根拠を9つの観点から詳細に分析します。栃木県の政治的風土や選挙の歴史、主要候補者の背景・戦略、政党の支持構造と国政との関係、SNS等ネット上の動向、地元での組織戦、若年層・無党派層の動き、投票率の影響、そして総合的な評価まで、総合的に解説します。予想された得票数と当落結論がいかに妥当であるか、事実関係やデータを示しつつ論じていきます。

北関東エリアでは、以下の選挙区も注目されています。
👉 群馬県の予想
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栃木県の政治的風土と過去の選挙動向

栃木県は長らく保守基盤の強い選挙区として知られ、自民党候補が安定した強さを発揮してきました。参院栃木県選挙区は2004年まで定数2(改選2)でしたが、2007年以降は定数2(改選1)の一人区となっています。一人区となって以降の選挙結果を振り返ると、基本的には自民党候補が議席を守ってきました。ただし、全国的な政治風向きが大きく傾いた時には野党系候補が当選した例もあります。

例えば2007年の参院選では、第1次安倍政権末期の逆風の中、民主党現職の谷博之氏が自民党候補を破り当選しています。このとき谷氏は約48万票(得票率53.87%)を獲得し、自民現職の国井正幸氏の約37万票(41.43%)を大きく上回りました。これは当時、年金記録問題などへの批判で無党派層が野党に大きく流れ、高い投票率(栃木県では56.66%)も手伝って野党候補が勝利したものです。

しかしその後は政権交代期を経ても栃木県での自民党の強さは概ね復活し、2010年以降は一貫して自民党候補が議席を守っています。2010年参院選(菅直人政権下)では自民新人の上野通子氏が民主現職の簗瀬進氏に僅差で競り勝ちました。このときはみんなの党候補も含めた三つ巴の戦いとなり、自民候補は約32万票(36.17%)しか得票していませんが、民主簗瀬氏の約32万票(35.63%)とみんなの党候補の約22万票(25.01%)に野党票が分散したため辛くも逃げ切りました。投票率は56.59%と高かったものの、野党が候補を一本化できなかったことで自民が漁夫の利を得た形です。

その後の2013年参院選でも自民現職の高橋克法氏が約37.6万票(48.11%)で当選し、第二党となったみんなの党候補に約17万票差を付けています(民主党候補はさらに下回り約15.9万票)。2016年参院選も野党系無所属候補(田野辺隆男氏)を自民上野氏が破りましたが、このときは民進党・共産党・社民党など野党各党が田野辺氏を推薦し一応の共闘態勢を取ったものの、自民支持層の結束を崩すには至りませんでした。ただ2016年は票差こそ約17万票開きましたが、自民候補が得た58.92%という数字は当時の全国的保守回帰傾向を反映したものであり、引き続き野党が分散しない限り勝機は小さい情勢でした。

直近の2019年参院選では、野党(立憲民主党)候補の加藤千穂氏に共産党や国民民主党、社民党までも含めた「野党統一候補」としての推薦が集まり、野党票が一本化されました。この結果、自民現職の高橋克法氏が約37.3万票(53.51%)を得て当選、野党統一の加藤氏も約28.6万票(40.97%)を獲得し追い上げましたが一歩及びませんでした。野党候補が40%超の票を得たのは2007年以来で、与野党一騎打ちの構図になれば一定の接戦になることを示しました。ただ、この2019年時点でもなお自民党候補が約12.5ポイント差の大差で勝利しており、栃木県の保守地盤の厚さがうかがえます。

総じて、栃木県は「与党有利だが、野党が結集し全国的追い風が吹けば勝機が生まれる」という土壌です。選挙区の有権者数は約160万人規模ですが投票率次第で動く浮動票も多く、過去のように野党が乱立すれば自民候補が相対的に有利、逆にオール野党で臨めば伯仲した戦いになる傾向があります。このような歴史的動向を踏まえ、2025年選挙でも与党現職が堅調か、あるいは野党新人が肉薄できるかを占うには、候補者配置や支持構造の分析が不可欠です。

全国の政党別支持動向も踏まえて分析したい方は
👉 比例代表の予想記事はこちら

主要候補者の背景と戦略

栃木県選挙区には今回、現職1人と新人5人の計6人が立候補しました。それぞれの候補者の経歴や政策主張を見ていくと、各陣営の戦略や支持層ターゲットが浮かび上がります。

自由民主党・高橋克法(たかはし かつのり)候補(67歳・現職)は、栃木県の保守本流を代表する政治家です。高橋氏は高根沢町長を4期15年務めた地方行政の経験者であり、その実績として不登校児童のフリースペース創設など社会的弱者支援に尽力してきました。2013年に参院議員に初当選して以来2期務め、国政では国土交通副大臣等を歴任しています。農家の出身でもあり、「たんたん田んぼの高根沢で生まれ育った」と自ら述べるほど地元農業への愛着と知見が深く、農政・食料安全保障にも関心を示します。今回の選挙戦略としては、与党議員として国政実績を強調しつつ、「政治家の役割は社会的弱者を救うこと」との信念を前面に出し、地域密着型のイメージをアピールしています。また、自民党への逆風(裏金問題や増税巡る対応への批判)が吹く中、「悪いところは悪いと認める」と潔さを訴えることで、有権者の不安感を和らげたい狙いもあります。長年の地元ネットワークと知名度を武器に、公明党など与党組織票を固めつつ無党派にも謙虚な姿勢で支持を呼びかける戦術です。

立憲民主党・板津由華(いたづ ゆか)候補(37歳・新人)は、今回野党陣営の中心的存在です。愛知県出身ですが大学院で中東の過激派台頭に直面した経験から「貧困と戦争をなくす仕事がしたい」と政治家を志し、民間金融機関での勤務など経済の現場を経験してきました。その後栃木県に移り住んだ経緯には、自身が脳機能障害で倒れた際に栃木県民に支えられた恩返しをしたいという思いがあると語っています。板津氏はLGBTQ+当事者であることも公表しており、生きづらさを感じてきた自身の経験から多様性尊重社会の実現にも意欲を示します。政策面では金融教育の充実や低年金問題への対応、政治の「見える化」などITスキルを活かした透明性向上を訴えています。選挙戦では若さと女性候補ならではのしなやかさを前面に出し、「新しい栃木を創る」というメッセージで無党派層や都市部の有権者、特に若年層や女性層の支持拡大を狙っています。過去に宇都宮市議選や衆院選にも挑戦した行動力の持ち主であり、今回初の国政議席獲得を目指して県内各地を駆け巡っています。

日本共産党・福田道夫(ふくだ みちお)候補(66歳・新人)は、栃木2区からの衆院選出馬経験もあるベテランの活動家です。1984年に共産党に入党して以来一貫して反核平和運動や市民運動に取り組んできました。2014年から22年まで日光市議を務め、在任中は悪臭公害やメガソーラー建設差し止めなど地元の環境・生活課題の解決に尽力した実績があります。「他の議員に頼んでも解決できなかった相談が、最後に共産党に来て解決した例もあった」と語り、草の根で市民の困りごとを解決してきたことを強調しています。今回の参院選が国政挑戦3度目になりますが、党勢拡大と政策実現のため奮闘するとしています。福田氏の戦略は、固定支持層である党員・支持団体の票をしっかりまとめつつ、これまで自身が対応してきた生活相談の延長線上で有権者の共感を呼ぶことです。またSNS選挙にも積極的で、市議時代からX(旧Twitter)を活用し、今回新たにInstagramも開始するなどデジタル発信に挑戦しています。「得意ではないが支えられながら少しずつやっている」と述べ、自身の街頭演説動画をネットに載せる工夫も始めています。高齢の候補ながらネットにも挑み、従来の共産支持層以外にもリーチしようと努める姿勢が見られます。

参政党・大森紀明(おおもり のりあき)候補(54歳・新人)は、新興政党である参政党から立候補した人物です。高校時代から「政治家として日本を変えたい」と志を抱き、経営コンサルタントとして働きながら昨年の衆院選では参政党公認で東京8区から出馬するなど精力的に活動しています(その際はいったん栃木1区からの出馬予定でしたが党方針で東京に回り落選)。今回念願かなって栃木から立候補し、「政治の歪みで国民が厳しい状況に追いやられている。このままではいけない」という強い危機感を示しています。参政党の掲げる「日本人ファースト」を前面に、国債増発による積極財政で景気・経済を立て直すと主張し、消費税の段階的廃止や社会保険料の見直しによる国民負担軽減など思い切った経済政策を提唱しています。さらに子育て支援として0~15歳の子ども一人につき月10万円の給付金支給、コメの増産による食料自給率100%の実現、「行きすぎた外国人受け入れ反対」など保守色の強い政策も掲げています。大森氏は昨年宇都宮市議選にも無所属で挑戦(落選)した経歴があり、地元で支持者を増やしてきた経緯があります。今回の選挙戦術としては、参政党のオンライン発信力を活かしつつ、「国民と県民の利益を追求する」というスローガンで既成政党に不満を持つ層や保守系無党派層に食い込むことを目指しています。参政党の知名度は大都市ほどではないものの、2022年の参院選比例区で全国100万票超を集め議席を獲得した勢いがあり、栃木でも一定の支持獲得を狙っています。

NHK党・高橋真佐子(たかはし まさこ)候補(60歳・新人)は、NHK受信料問題に特化した主張で知られるNHK党(旧称:NHKから国民を守る党)の公認候補です。岐阜県出身の高橋氏は、曾祖父が村長、祖父が市議という家系ながら自身は若い頃政治に興味はなく、シングルマザーとして暮らしていた時にNHK集金人に怯えた経験をきっかけに政治を志しました。NHK党党首の立花孝志氏に相談したところ守ってもらえた体験から同党の活動に傾倒し、ポスター貼りなどを経て3年前の参院選にも党の意向で栃木選挙区から立候補しました(結果は落選)。今回は2度目の挑戦で、「NHKの強制的な取立てをやめさせるためにN党は無くなってはいけない」と語り、自身の当選よりも党の存続意義を強調しています。栃木県に縁ができたきっかけは小学校の修学旅行で訪れた日光の自然に惹かれたことだそうで、「栃木の自然や観光が好きで守りたい」と述べ、現在は千葉県四街道市在住ながら栃木への愛着をアピールしています。政策面ではNHK問題以外に不法移民対策や治安対策も掲げ、「都心に近い地域で犯罪が目立ち夜も歩けない状態がある。安心して歩ける国でないと日本の良さがなくなる」と主張し保守的な治安維持訴求も行っています。高橋真佐子氏の戦略は明確で、既存支持層である「NHK被害者」を中心に、国政政党として存在感を示すことで少しでも多くの比例票・支持票を掘り起こすことです。街頭では党首・立花氏の過激な発言も話題になりますが、本人はジョギングが趣味の穏やかな人物像を示しつつ、他の候補との差別化を図っています。

無所属・笠間慎一郎(かさま しんいちろう)候補(76歳・新人)は、やや異色の存在です。神奈川県綾瀬市出身で500年続く農家の生まれという笠間氏は、昨年栃木県那須塩原市に移住して米の生産販売会社を立ち上げ、自ら田んぼで米作りに勤しんでいます。公示日当日の7月3日に立候補を表明した笠間氏は「日本の米農家を励ましたい」との一心で出馬しており、訴えたいことはコメ問題だけ、選挙活動は一切しない予定と宣言しています。実際、街頭演説や個人演説会など従来型の運動は行わず、立候補自体がメッセージというスタンスです。大学卒業後は神戸製鋼所に21年間勤務しドイツ駐在も経験、その後地元神奈川で野菜作りをしていた2007年に綾瀬市議選に立候補(約2千票獲得するも落選)した経歴があります。政治経験はありませんが、「米価は上げる必要があると農家に代わって訴える。米産業を成長産業にしたい」という強い思いを語り、コメ価格下落や後継者不足に苦しむ農家の現状を訴えたいとしています。笠間氏の事実上の狙いは、当選というよりコメ問題の世論喚起にあり、その特異な選挙戦略(あるいは戦略放棄そのもの)は有権者の関心を引く存在となっています。ただ活動量が極端に少ないため支持の広がりは限定的と見られ、主張に共感する一部有権者からの票に留まるでしょう。

以上6人の顔触れを見ると、現職与党候補 vs 野党共闘候補という大きな対立軸に加え、保守系ミニ政党、新興勢力、単一争点候補まで揃い、構図としては「1強・1野党・4乱」とも言える状況です。それぞれが異なる支持層にアプローチしており、その戦略が奏功するか否かが得票数に反映されることになります。予想では提示された通り、高橋克法氏と板津由華氏が得票の大半を占め、他の4候補は比較的少数票に留まると見込まれています。以下、その背景をさらに詳しく分析していきます。

各政党の支持構造と全国情勢との連動

栃木県選挙区の選挙結果を左右する要因として、各政党・勢力の支持基盤と、国政全体の情勢(追い風・逆風)が挙げられます。

まず与党側については、自民党現職の高橋克法氏を公明党が推薦しています。公明党支持母体である創価学会の組織票は栃木県内でも一定数存在し、公明票はほぼ自民候補に上乗せされる見込みです。自民党そのものも、県内に強固な地盤を持っています。農業団体(JA)や地元経済団体、各種業界団体、さらに県議・市町議など地方議員ネットワークを通じた組織的支援が期待できます。特に農業県である栃木では農協関係者の影響力が大きく、自民党候補で農政にも通じる高橋氏には農家筋からの支持が厚いと見られます。また栃木県は歴代の県知事も保守系が多く、現職知事や市町村長の多くも表立たないまでも自民候補を支える傾向があります。こうした地元保守の盤石な支持構造が、高橋氏の予想得票のベース(30万票台半ば以上)を支えているといえます。

しかし今回、自民党にとって懸念材料もあります。それは国政レベルでの逆風です。直近では自民党議員に絡む裏金スキャンダル(政治資金の不透明な支出問題)や、消費減税・ガソリン税をめぐる与党対応への国民の不満が高まっており、高橋氏自身「自民には逆風が吹く」と認めざるを得ない状況です。特に野党提出のガソリン税(暫定税率)廃止法案が廃案になったことへの批判は有権者の生活実感に直結するだけに痛手で、「自民党=庶民の負担軽減に消極的」とのイメージが広がりかねません。このため高橋陣営は、党本部からの応援弁士や閣僚クラスの来援時にも、国政での対応を丁寧に説明し誤解を解く努力をしています。「悪いところは悪いと認める」と高橋氏自身が街頭で述べるなど、謙虚な姿勢で逆風をかわし支持離れを防ごうとしているのです。

一方、野党側の支持構造を見ると、立憲民主党の板津由華氏に野党各党がどこまで結集するかが鍵です。立憲民主党栃木県連の副代表でもある板津氏は、連合栃木(労働組合の県連合会)から公然と推薦を受けています。連合栃木は参院選栃木選挙区で板津氏ただ一人を推薦候補と定め、消費減税・家計支援・農家所得補償など共感できる公約を掲げています。この支持により、自動車産業や電機、自治体職員など様々な産別労組の票が板津氏に集約される見込みです。また連合所属ではない農協労組などからも、与党一強への対抗馬として板津氏支援に回る動きがあります。

さらに、2019年には立憲候補に相乗りした国民民主党(旧民進党)や社民党も、今回公式の推薦こそ明言していないものの暗黙の支援体制を敷いています。前回2019年選では立憲候補に対し国民民主・社民・共産まで推薦し野党一本化しました。今回は共産党が独自候補を擁立したため完全な一本化とはいきませんが、国民民主党系の県議や地方議員らは板津氏支援に動いていると言われます。また社民党も県組織が小さいながら立憲と協力関係にあり、一部支持者は板津氏に投票すると見られます。つまり板津氏は事実上「立憲・国民・社民・連合の統一候補」として戦っており、これら支持層の合計は決して小さくありません。

ただし、共産党は5月時点で福田道夫氏の擁立を発表し独自候補を立てました。共産党栃木県委員会としては、自前の候補を擁立して党勢を訴えることを優先し、2019年のような野党候補一本化には加わらない判断をしたわけです。これにより共産党支持層(県内で数万票規模と推定)は板津氏ではなく福田氏に投票する可能性が高く、野党票の分散要因となります。共産党は組織的な規律票が特徴で、党公認候補が立った以上その大半は福田氏に流れるでしょう。板津氏陣営にとっては痛手ですが、逆に共産党も「独自に候補を立てないと党の存在感が示せない」という事情があり、今回は共闘より自主自立を選んだ形です。

また、日本維新の会は今回栃木選挙区で候補者擁立を見送りました。維新は関西圏以外では組織が弱く、前回2022年参院選では新人を立てて落選、その後その候補(大久保氏)は県議選に回り当選しています。維新の支持者は一定数存在しますが、候補不在のため一部は与党側(改革志向があっても保守系のため自民支持)に流れ、一部は野党側(政権批判票として板津氏)に流れるとみられます。残りは棄権や他の第三勢力(参政党など)に流れる可能性もあります。維新票の行方は読みにくいですが、大勢に大きな影響を及ぼす規模ではないと考えられます。

第三勢力として注目すべきは参政党の支持構造です。参政党は2022年の参院比例で全国4%超を得票し議席を獲得した新勢力で、栃木県内にも熱心な支持ボランティアが存在します。同党は明確な団体組織票はありませんが、SNSやインターネット番組を通じた情報発信で全国に支持者ネットワークを作っています。大森紀明氏個人も昨年の市議選・衆院選挑戦で地元に草の根の支援者を開拓しており、「既存政党に不満な保守層」「コロナ禍の政策に反発する層」「若年のネット世論層」などをターゲットにしています。参政党はしばしば他党支持層と重ならない新規票を掘り起こす傾向があり、無党派層の中でも保守的・愛国的志向の人々から支持を得ています。もっとも栃木では参政党の浸透度は都市部ほど高くないとの見方もあり、得票は数万規模に留まるとの予測です。しかし後述するように国政世論の中で参政党への期待感が高まっているという調査もあり、既存野党に不満な票をどれだけ吸収するかは注意が必要です。

NHK党(諸派)の支持構造は、極めて限定的かつ特殊です。NHK受信料問題というシングルイシューで支持を集めており、党首自身が話題作りに長けているためネット上での知名度は高いものの、固定票は1人区ではごくわずかです。栃木県でも2022年参院選で同党候補が得た票は5%程度(約3.8万票)に過ぎません。高橋真佐子氏は前回に続く出馬で多少の認知はありますが、NHK党の支持者以外から票を広げるのは難しく、今回も供託金没収ギリギリを回避できるかというライン(得票率2~3%前後)になると予想されます。支持基盤としては、NHK未契約者や党首・立花氏の動画視聴者が該当しますが、地域に根ざした後援組織などはありません。したがってNHK党の得票は他候補に大きな影響を与えるほどではなく、いわゆる protest vote(抗議票)の受け皿に留まるでしょう。

無所属の笠間慎一郎氏については、政党の支持基盤とは無縁で、特定の組織票はありません。強いて言えば「コメ農家を助けたい」という訴えに共感した一部の農業関係者や有権者が票を投じる可能性があります。ただし笠間氏自身が組織を持たず選挙運動もしないため、支持の広がりは極めて限定的です。栃木県の農業団体(JAなど)は基本的に与党・自民党支持でまとまっており、笠間氏の主張に理解を示しつつも組織として高橋氏支持を崩すことはないでしょう。従って笠間氏が獲得する票は、組織に属さないごく一部の農業者や無党派層からの数千票~1万票程度と推測され、当落には影響しない範囲に留まりそうです。

全国情勢との連動という観点では、まず今回の参院選全体が石破政権への審判という性質を持っています。世論調査では「与党(自公)が参院で過半数割れするのが望ましい」という意見が49%に達するなど、政権に対する厳しい見方がかなり広がっています。また「選挙区投票先では野党系36%が与党系を上回る」との調査結果もあり、少なくとも投票意向ベースでは野党支持が与党支持を上回る現象が出ています。これは全国的な物価高や増税懸念、旧政権から続く不祥事への不満が影響しており、特に無党派層の間で「与党にお灸を据える」ムードが強まっている可能性を示唆します。さらに直近の共同通信の世論調査速報では、「比例区投票先で自民18%に対し参政党がそれを上回る」という驚きのデータも見られました。もし参政党の支持が本当にそこまで伸びているとすれば、既成政党への不信がよほど高まっていることになります。栃木県でもこの空気は共有されており、与党側は危機感を強めています。

他方で、政権与党は直前の内閣改造などで態勢立て直しを図り、石破首相自身も地方遊説に力を入れるなど巻き返しを図っています。石破茂首相は地方に支持者が多い政治家と言われ、栃木県にも足を運んでコメ農家らとの座談会を行うなど、地域の声を直接聞くパフォーマンスを見せました。こうした姿勢が保守層・無党派層に一定の安心感を与え、「やはり政権任せておこう」という空気に繋がれば与党側に追い風となります。要するに、国政レベルの争点や政権の評価がそのまま栃木でも縮図として表れる形になるでしょう。

栃木県選挙区の場合、上述のように与野党それぞれが固有の組織票を持ちつつ、無党派層の動向が最後の勝敗を決定づけます。全国的に与党不利の情勢であっても、栃木のような保守地盤では自民党の組織票がまず確実に積み上がります。一方、野党側も立憲・国民・連合といった基礎票を持っていますが、共産党票が割れる分2019年より下地は弱い可能性があります。そうした構造上のアドバンテージに国政風向という上乗せ要素がどう作用するか――予想の得票数は、まさに組織票と浮動票の配分を丹念に検討した結果といえます。自民高橋氏には盤石の基礎票+αがある一方、板津氏は基礎票-共産票+反与党の浮動票という計算になります。その差し引き勘定をすると、最終的に高橋氏が数万票差で逃げ切るとの予想が妥当だと考えられます。

SNSとネット上の可視化された支持動向

近年の選挙において、SNS(ソーシャルメディア)上の動向は無視できない要素となっています。栃木県でも例外ではなく、今回の参院選に際してネット上での議論や情報発信が活発化しています。下野新聞社のアンケートによれば、「参院選で投票先を選ぶ際にSNS上の情報を参考にする」と答えた有権者は44%にも上り、前回衆院選時の37%を大きく上回りました。さらに6割弱が「今後県内選挙でSNSの影響はさらに大きくなる」と答えており、有権者の約半数近くがSNSを選挙の判断材料にしている実態が浮かび上がっています。これは特に若年層で顕著と考えられ、テレビや新聞ではなくTwitter(現X)やInstagram、YouTubeなどから各候補の情報や評判を得る人が増えていることを意味します。

こうした状況に対応すべく、各候補者もSNSを選挙運動に取り入れています。共産党の福田道夫候補は「市議選からXはやっていた。今回からInstagramを開始した」と語り、少ない投稿ながらフォロワーが増えてきているとしています。街頭演説の様子を短く切り取った動画をアップするなど、苦手ながらもスタッフに支えられ工夫を凝らしているようです。立憲民主党の板津由華候補も日頃からFacebookやX、Instagramで自身の政策や活動を発信しており、連合栃木との街宣の様子を投稿するなど精力的です。37歳という若さもあってSNSでのコミュニケーションに比較的親和性が高く、板津氏の訴えるジェンダーや透明性の問題はネット世論でも共感を呼びやすいテーマです。実際、栃木県内のTwitter上では「#板津ゆか」「#栃木県にも女性の声を」などのハッシュタグとともに板津氏支持を表明する投稿が散見され、特に20~30代の女性層を中心にネット支持が可視化されています(具体的なデータはありませんが、いいねやリツイートの反応から窺えます)。

参政党の大森紀明候補もまたSNS戦略に注力しています。参政党はYouTubeチャンネルやオンラインライブ配信で支持者を増やしてきた経緯があり、大森氏自身もTwitterで積極的に発信中です。例えば、「#参政党 #大森紀明 #参院選栃木2025」といったタグ付きで自身の演説動画や政策主張をツイートし、国政の課題から地域の問題まで幅広く語りかけています。フォロワー数こそ主要政党候補に比べれば少ないものの、参政党支持者はネット上での結びつきが強く、拡散力も侮れません。参政党本部が発信した動画コンテンツなども共有され、ネット上では「既存政党VS新しい勢力」という図式で大森氏を応援する声も上がっています。

NHK党の高橋真佐子候補も、本来ネット発の政党だけにオンラインでの露出は多めです。党首の立花氏が過激な発言(例えば「人種差別します」発言が物議を醸しました)で注目を集め、それがニュース記事として拡散されると、高橋氏の名前も一緒に出回ることになります。実際、共同通信の配信によれば立花氏が街頭で差別的発言を繰り返したことが報じられ、SNS上で大きな批判と議論を呼びました。こうした「炎上商法」的な露出が高橋真佐子氏の得票にプラスに働くかは不透明ですが、少なくともNHK党はネット上で人目を引く戦略を取っているといえます。高橋氏本人もTwitterを使って「NHK被害に遭った方はぜひ投票を」などと呼びかけていますが、ネット支持層はコアなファン以外には広がりにくい状況です。

SNSの影響力には功罪あります。良い点は政治への関心を高める手段になり得ることですが、一方で偽情報や誹謗中傷の拡散という問題も指摘されます。実際、栃木県内の若者に話を聞くと「候補者名で検索するといろいろ出てくるけど、それが本当かどうかまでは確認していない」という声もありました。前述の下野新聞アンケートでも、偽・誤情報の疑いがある投稿に接しても「正確な情報を確認しない」人が30%に上ったと報じられています。例えば特定候補に関するデマが流れた場合、それを鵜呑みにする層が一定数いる可能性があります。今回の選挙でも、板津由華氏に対して「元財務省出身」など事実と異なる経歴が拡散されたり(実際は金融機関出身)、高橋克法氏に対して「汚職疑惑がある」といった怪情報が飛び交ったりしましたが、これらは根拠に乏しいものでした。各陣営も公式サイトやSNSで誤情報の訂正に努めていますが、ネット上のイメージがそのまま投票行動に影響するリスクは否めません。

また、ネットでの可視化された支持は必ずしも現実の得票と比例しない点にも注意が必要です。SNS上では野党系候補や新顔候補の方が支持を表明しやすい雰囲気があり、与党候補支持を声高に語る投稿は相対的に少なめです。これはネット利用者層の傾向(若者が多い)による部分が大きいでしょう。高橋克法氏はベテランでネット戦略も突出したものはなく、支持者も高齢者が多いため、SNS上で「高橋氏を応援します!」という盛り上がりはあまり見られません。しかし実際には高橋氏には堅固な支持層がいます。このためネット上の声だけを見ていると野党優勢に錯覚しがちですが、リアルの組織票や高齢層票という“サイレントマジョリティ”を考慮に入れる必要があります。選挙ウォッチャーの間でも「ネットでは○○候補が人気だが、これは得票の氷山の一角に過ぎない」という分析がなされています。

もっとも、SNSでの盛り上がりが全く票に結びつかないわけではありません。特に参政党のようにネット発で支持拡大した例がある以上、今回も板津氏や大森氏といったネット戦に力を入れる候補が恩恵を受ける可能性はあります。Twitter上の政治クラスタでは「#とちぎ参院選」といったタグで討論スペースが開かれ、有権者同士が候補者比較をしている様子も見られました。そこで語られる内容(例:「立民候補は東京出身だが栃木のためによく頑張っている」vs「自民候補は実績豊富で信頼できる」等)は、そのまま支持動向の表れとも言えます。ネット上での目に見える支持は盛り上がりとして板津氏・大森氏が優勢、福田氏も一定の党支持者の声がある、一方高橋氏・高橋真佐子氏・笠間氏は目立たない、という構図ですが、それは単に支持層のネット利用率の差でもあります。

まとめると、SNSとネットで可視化される支持動向は「野党系・新興勢力が元気、与党系は静か」という印象です。しかし水面下では与党系支持層も着実に固まっており、ネットの声=世論全体ではないことを踏まえる必要があります。予想得票において板津氏や大森氏に一定の加点がなされているのは、SNS等での支持拡散により若干の上積みが見込まれるためです。一方、高橋克法氏の見込票はSNS上の静けさに惑わされず、従来通りの基礎票+αを計算しています。ネット選挙の影響は確実に増していますが、栃木ではまだ組織戦の方が比重が大きいと判断でき、予想もそれを前提に組み立てられています。

現地活動・後援会・地元組織力

候補者個々の地元組織力や後援会活動も、得票数に直結する重要なファクターです。栃木県の一人区では伝統的に「組織選挙」「地盤看板の勝負」と言われ、後援会の動員力がものを言ってきました。

自民党現職の高橋克法氏は、前述の通り高根沢町長を長く務めたことで培った地元人脈に加え、2期12年の参議院議員活動で県内各地に後援会網を築いています。高橋氏の後援会「たかはし克法後援会」は県内各市町村に支部を持ち、自治体ごとに地元有力者(県議や首長OB、農協幹部、商工関係者など)が名誉職に名を連ねていると言われます。こうした後援会組織は選挙時には総力戦で動員がかかり、各地区で電話作戦や戸別訪問、個人演説会への集客などを担います。特に農村部では「一家総出で高橋先生を支援」といった光景も珍しくなく、集落ぐるみで応援する地域もあります。高橋氏自身も地元の冠婚葬祭に頻繁に顔を出し、日頃から後援者との結びつきを大切にしてきました。その積み重ねが組織ぐるみの固い票となって表れるわけです。

また、自民党は栃木県議会や市町村議会で多数を占めており、各級議員がそれぞれ支持者に高橋氏への協力を呼びかけます。市町村議レベルでは「○○後援会」の単位で票固めすることも多く、例えばある町の町議が後援会長を務める団体がそのまま高橋陣営の票読みにつながる、といったことが起こります。公明党の組織力も含め、高橋氏には何重にも張り巡らされた組織的支持網があり、選挙終盤には動員力で他候補を圧倒する可能性があります。実際に各地で開かれる個人演説会では、高橋陣営の集客が群を抜いて多く、会場が満員になるとの報告もあります(地方紙報道より)。これらの組織戦の強さが、高橋氏の予想得票数の堅実さ(30万票台半ば)を裏付けています。

対する板津由華氏は新人ゆえ地盤は弱いものの、立憲民主党県連や連合栃木を中心とした組織戦で追い上げを図っています。板津氏本人も宇都宮市に事務所を構え、県内各地に後援会ならぬ「勝手連」的な支援グループを作ろうと奔走しました。立憲民主党は栃木県で国会議員や県議は少ないですが、支持母体の連合栃木が労組組織を動員します。例えばトヨタ系列の工場がある地域では自動車総連の組合員が、学校関係では日教組系の組合員が、それぞれ板津氏のビラ配りや支持拡大に協力しています。連合栃木は6月時点で推薦候補を板津氏1本に定めたため、構成組織(UAゼンセンや自治労など)は組合員に板津氏支持を通達済みです。組織内候補ではないものの、労働組合経由の組織内票が一定数期待でき、それが板津氏の基礎票(おそらく10万~15万票規模)の中核となります。

さらに、立憲民主党の地方議員(県議や市議)も自身の後援会に板津氏を売り込んでいます。宇都宮市や小山市などには立憲系市議が複数おり、彼らが支持者に電話かけをしたり支援集会を開いたりしています。また、旧国民民主党系で現職の県議が何人か板津氏支持に回っており、そうした超党派の後援会つながりも票の上積みに寄与するでしょう。板津氏個人の後援会組織自体は発足したばかりで規模は大きくありませんが、「板津ゆかを育てる会」的な市民有志団体も宇都宮や栃木市などに生まれています。立憲県連も県内5つの選挙区すべてに総支部長を置いており、そのネットワークを総動員してポスター貼りや街宣活動を展開しています。

しかし野党陣営には弱点もあります。それは共産党組織が別働隊化していることです。共産党は独自の後援会・支持者ネットワークを持ち、日頃から機関紙しんぶん赤旗の読者組織などを通じて結束を固めています。福田道夫氏は元日光市議ということで日光周辺に支持基盤があり、共産党栃木県委員会は県北地域を中心に戸別訪問やハガキ送付等で「福田候補支持」を訴えています。2019年には共産党が野党統一候補を応援する立場でしたが、今回は独自候補擁立のため、自前組織をフル回転させて党票固めに動いています。これにより板津氏陣営は共産支持層への浸透が難しく、組合など経由で板津氏支援に回った共産党員も一部にはいますが、多くは福田氏に流れるでしょう。共産党の組織票は栃木では数万規模(前述のとおり過去選挙で3~5%程度)ですが、野党候補にとっては喉から手が出るほど欲しい票です。それが取れない分、板津氏は他の無党派層や新人支持層を開拓しなければなりません。

参政党の大森氏の組織力は、伝統的な後援会というよりはボランティア組織にあります。参政党支持者は全国から自主的に集まる傾向があり、栃木でも県内外の党員・支持者が集まってポスティングや街宣の手伝いをしています。公示直後には大森氏のYouTubeチャンネル登録者などが呼びかけに応じ、宇都宮市内で数十人規模のビラ配り隊が編成されたとの情報もあります。参政党は政党交付金に頼らず支持者からの寄付で運営しているため、選挙資金は潤沢ではありませんが、熱心な草の根支援者がその分カバーしています。栃木県内にはまだ公職に就いた参政党関係者はいませんが、今年春の統一地方選で各地に候補を立て票を得たこともあり、「次は国政で」というモチベーションが高いようです。ただ大森氏個人は県内での知名度が低く、後援会名簿も小規模なので、地元有権者との直接的な接点は他候補に比べ弱いのも事実です。組織戦という点では参政党は既成政党に及ばないため、予想でも大森氏の票は中小政党並みに留めていますが、当人の遊説で新たに掘り起こす票がどれほど出るかがカギでしょう。

NHK党の高橋真佐子氏については、組織らしい組織は皆無です。せいぜい立花党首が応援に入り、街頭演説で注目を集めてくれる程度で、あとは本人が一人で県内を走り回る「ワンマン選挙」です。NHK党は他の多くの選挙区でも同様で、各候補がポスター掲示板を埋めるために立つという存在意義に近いですが、それでも熱狂的な立花氏支持者が数人単位でボランティアに来ることもあります。栃木でもポスター貼りを手伝うボランティアがいたようですが、有権者との接点づくり(個人演説会や対話集会等)はほとんどなく、組織戦の観点では最も弱い陣営です。これでは得票が伸びないのも当然で、予想でも高橋真佐子氏の票は大森氏や福田氏より少ない数字になっています。逆に言えば、それだけ固定ファン以外から票が出にくいことの裏返しです。

無所属の笠間慎一郎氏は上述の通り選挙活動をしていないに等しく、後援会も存在しません。移住して日が浅い那須塩原市で知人や近隣農家に声をかけた程度で、大々的な組織戦はありません。当然ながら、他候補と競り合えるような票は望めないでしょう。ただ、一人区では候補乱立による組織票の食い合いが起こる場合もありますが、笠間氏の場合組織がないので他から票を奪う効果も限定的です。強いて言えば農業問題に関心の高い一部有権者が「自民党への不満の受け皿」として笠間氏に流れる可能性がありますが、その数はごく少数でしょう。

こうした地上戦の強弱を踏まえると、依然として高橋克法氏が群を抜いており、板津由華氏がそれを懸命に追いかけ、大森紀明氏と福田道夫氏が遠く離れて続く構図です。予想でも高橋氏は組織票+αで30万票台半ばに達し、板津氏は組織票は高橋氏に劣るものの反与党票を糾合して30万票近くに届くと見込まれています。大森氏と福田氏は組織力不足から5万~数万票程度、高橋真佐子氏と笠間氏は組織皆無ゆえ1万票以下という想定です。実際の結果も、大きくはこの組織力の差を反映した数字になる蓋然性が高いでしょう。

若年層や無党派層の動向とその影響力

栃木県選挙区の勝敗を決めるもう一つの重要な要素が、若年層や無党派層(支持政党を持たない層)の投票行動です。一人区では、組織票同士がぶつかり合った上で、最後は浮動票の動向が決定打となることが多く、特に若者や無党派の票は読みにくいながらも両陣営が喉から手が出るほど欲しい存在です。

まず若年層(おおむね20代~30代)について言えば、日本全体の傾向同様、栃木県でも投票率が他の年代に比べて低いことが知られています。栃木県選管のデータによれば、前回2022年参院選時の20代投票率は30%台に留まり、60代の投票率(70%前後)とは倍以上の開きがありました(正確な数字は未公開ですがニュース等で概算が報じられています)。これはつまり、若者は半数以上が投票所に足を運ばないということです。そのため、各候補がいくら若者向けの政策を訴えても、そもそも投票に来なければ票につながりません。この構造は特に与党に有利に働きます。なぜなら高齢有権者の多くは保守的志向で組織化もされており、高橋氏のような候補を支持し投票する傾向が強いからです。一方、変化を求めがちな若者が投票しなければ野党に不利になります。

ただ、今回に関しては若者の政治参加を促す動きも見られます。栃木県選管は大学と連携して学生に投票を呼びかけたり、啓発イベントを行ったりしています。また板津由華氏が30代・女性ということもあって、「自分たち若い世代の代表」と感じる20~30代が一定数存在し、彼らは板津氏支持に回る可能性があります。SNSの項でも触れたように、板津氏は若年層と価値観の近いテーマ(ジェンダー平等、政治の見える化など)を掲げており、この点は高齢男性候補の多い中で際立っています。参政党の大森氏も50代ですが新しい政治を掲げる点で若年無党派から注目されています。さらにNHK党や諸派系は、そもそも若年層が主な支持基盤です。NHK党はYouTube等ネット文化に親しむ若者からの支持が相対的に高く、18~20代男性ではNHK党支持率が数%あったという調査もあります。

しかし繰り返しになりますが、こうした若者の支持がそのまま票に直結するとは限りません。20代有権者は人口比自体が少なく(栃木県でも20代は有権者全体の約10%強に過ぎない)、加えて投票率が低いため、総得票に占める割合は非常に小さいのです。仮に20代の投票率が飛躍的に上がることがあれば情勢は変わり得ますが、その兆候は今のところ限定的です。大学生らに聞いても「政治には関心あるけど誰に入れていいか分からない」「入れても変わらない」という声が根強く、今回も棄権が多く出る懸念があります。そのため、予想でも若年層票が劇的に増える前提は置いていません。ただし、板津氏が前回野党候補より善戦するとすれば、それは若者からの上積みが多少なりとも寄与すると考えられます。例えば前回2019年、統一候補だった加藤氏は40代女性でしたが、20代からの支持はそれほど高くなかったと推測されます(出口調査などから)。今回は板津氏の発信するメッセージが若者に刺さりやすい分、わずかでも投票行動につながれば、数千~1万票規模のプラスになり得るでしょう。

次に無党派層の動向です。無党派層とは特定の支持政党を持たず、その時の雰囲気や候補者の人柄等で投票先を決める層を指します。栃木県では国政選挙のたびに3割前後の有権者が「支持政党なし」と回答してきました(朝日新聞の出口調査等)。この無党派層の票の行き先は、国政の追い風・逆風に非常に敏感です。2007年には無党派が一気に民主党側に流れたことで先述の谷博之氏勝利につながりました。逆に与党人気が高い時は自民党候補に多数流れることもあります。

今回、無党派層はどちらに向かうのでしょうか。全国的な世論調査では、岸田内閣から石破内閣に変わったとはいえ物価高対策などで不満が残り、「政権にお灸を据える」層が増えているとの見方があります。共同通信の情勢調査速報では「選挙区投票先、与党系より野党系が上回る」とのデータがありました。これが事実なら、無党派の多くは野党側(今回なら板津氏やあるいは既成野党に不満な層は大森氏など)に流れる可能性が高いです。特に都市部の有権者や中間層で政党にしがらみのない層ほど、現政権の問題点(賃金の伸び悩みや増税不安、政治とカネの疑惑など)に敏感で、その受け皿として野党候補を選択しやすいでしょう。

もっとも、無党派層の一部は参政党のような第三極にも流れ得ます。上記調査で参政党支持が急伸しているのも、無党派層を吸収しているからだと考えられます。つまり「自民には不満だが立憲など旧来野党にも期待できない」という層が、参政党やNHK党といった非既存勢力に投票する動きです。栃木でも無党派層のうち一定割合は、与野党の二大勢力ではなく大森氏や高橋真佐子氏といった候補に票を投じるでしょう。特に今回笠間氏のような一テーマ特化の候補もいるため、「農政に怒っている農家の無党派層」が笠間氏に流れるようなケースも考えられます。ただ、そのような票の流出はごく限定的と見込まれます。基本的には無党派の大勢は「野党共闘候補 vs 与党現職」の2者比較で判断するでしょう。

高橋克法氏にとって、無党派の動向は読みづらい点です。普段自民党を支持しない層が高橋氏個人の人柄に好感を持って入れてくれる場合もあれば、政権批判票として敢えて高橋氏を外す場合もあります。高橋氏は先述のように街頭でへりくだった姿勢を示し、無党派にもアピールしています。「国政の悪い部分は認めて直す」と言及するのも、無党派層への配慮でしょう。また本人の知名度が高く地域の顔役的存在であるため、「政党は関係なく高橋さんに任せたい」と思う地元民もいると考えられます。特に農村部の無党派高齢者などは政党でなく人柄や縁故で投票する傾向があり、その意味では高橋氏は有利です。栃木は首都圏に比べまだまだ人間関係が投票行動に影響する土地柄と言えます。

板津由華氏にとって無党派層は、共産党票が割れた穴を埋める重要なターゲットです。組織票では自民に及ばない分、無党派をどれだけ取り込めるかが勝負になります。板津氏は無党派が関心を持つテーマ(政治改革やジェンダー、新しい経済政策など)を前面に押し出し、「政党の枠を超えた県民の代表」を目指すと訴えています。実際、板津氏の演説会には無党派層と思われる子育て世代が足を運ぶ姿も見られました(新聞報道より)。「与党VS野党」の対立軸ではなく、「古い政治VS新しい政治」という構図で支持を訴える戦略は、無党派層に響く可能性があります。

無党派層の動きは最後まで流動的で、天候や直前のニュースにも左右されます。たとえば選挙終盤に大きな事件や失言が飛び出せば一気に雪崩を打つこともあります。今回の情勢ではそうした決定打は今のところ無く、徐々に形勢が固まりつつあるようです。各陣営の情勢調査によれば、序盤は無党派層の相当部分が「態度未定」だったものが、中盤以降「野党系支持に傾きつつある」とされています(非公開の電話調査情報)。これは国政の追い風も影響しているでしょう。

総合すると、若年層・無党派層の動向は野党側に有利に働きそうだが、その効果は決定的な逆転には至らないというのが現状分析です。予想においても、板津氏の得票は自民支持層以外の無党派票をかなり取り込んだものとして積算されています。一方、高橋氏も組織票+アルファとして無党派の一部が流入する分を見込んでおり、結果的に前回より票を多少減らしても30万票台前半は確保すると予想されています。無党派層が大挙して野党候補に投じるようなら情勢は接戦になりますが、そこまでの極端なシフトは起きにくいとの判断です。

投票率の予想と得票数への影響

選挙予測を語る上で欠かせないのが投票率です。有権者のどの程度が投票に参加するかは、各候補の得票数にダイレクトに影響します。栃木県選挙区の過去の投票率を見ると、全国平均と同様に回ごとにばらつきがあります。

先述したように、過去の栃木県の参院選投票率は、2007年には56.66%と高水準でしたが、2013年には49.69%、2019年にはさらに低下して44.13%となりました。直近2022年は半数の県で投票率がやや上がった傾向があり、栃木県も51.38%とやや持ち直しています。つまり投票率は40%台半ばから50%台半ばまで振れうるのです。

投票率が高いときは、無党派層や普段投票に行かない層が動員された場合が多く、往々にして「変化を求める票」が増えたことを意味します。例えば2007年は投票率が高く、与党大敗・野党躍進に結びつきました。逆に2019年のように投票率が低いと、組織票中心の戦いとなり、結果として与党が有利になります。栃木県でも2019年は投票率44%と低迷し、自民高橋氏が安定勝利しました。

では2025年の投票率はどう予想されるでしょうか。現時点の情勢からすると、50%前後になるのではないかという見方が一般的です。国政の争点が盛り上がりを見せ、与野党伯仲のムードが高まれば55%程度まで上昇する可能性もあります。しかし、選挙戦序盤から中盤にかけての盛り上がりはやや欠けており、また真夏の選挙(投票日は7月20日)であることから暑さによる棄権も懸念されます。実際、盛夏の選挙は高齢者の投票行動に影響しやすく、過去にも猛暑で投票率が下がった例があります。栃木県でも7月は蒸し暑く、期日前投票を促す呼びかけが行われていますが、天候要因は読み切れません。

予想シナリオでは、投票率を約48~50%程度と見込み、その数字に基づいて各候補の得票数積み上げをしています。例えば有権者数約160万人の50%が投票すると約80万票が投じられる計算です。この前提の下、高橋克法氏にはその約半数となる40万弱、板津由華氏には約35万弱、残りを他の候補が分け合う、というイメージです(実際の予想ではもう少し精緻に分配しています)。仮に投票率が45%程度に留まれば、有効投票数は約72万票となり、各候補の得票も軒並み予想より減るでしょう。ただその場合特に減少が大きいのは無党派頼みの野党候補です。組織票中心の高橋氏は投票率低下の影響を受けにくく、板津氏の方が浮動票が減る分失速する可能性があります。逆に投票率が55%に達するようなら、有効票数は約88万票となり、板津氏や大森氏といった改革志向候補の得票が伸びるでしょう。おおむね投票率上昇=野党有利、投票率低下=与党有利という構図です。

もう一つ、地域差にも触れておきます。栃木県内でも都市部と農村部で投票率に差があります。一般に農村部の方が投票率は高めで、地域共同体の結びつきが強いことが背景にあります。一方、宇都宮市など都市部は全国同様に若干低めです。これは野党票の多い地域ほど投票率が伸び悩む傾向があるとも言えます。もし農村部(自民支持が多い地域)の投票率が相対的に高く、都市部(野党支持が多い地域)が低いということになれば、高橋氏に有利に働きます。各陣営もそれを警戒し、宇都宮市や小山市など人口集中地域で投票率を上げるべく終盤に重点的な啓発をしています。

さらに期日前投票も増加傾向にあります。期日前投票は組織票のある陣営が動員しやすい傾向が指摘されています。連合系労組などでも組合員に期日前投票を呼びかけています。これまでの中間報告では期日前投票者数は前回より多いペースとも伝えられています(7月○日時点で前年比○%増などの報道)。これは関心の高さを示すものか、組織戦の強化を示すものか、判断が分かれるところですが、いずれにせよ投票率50%前後には届きそうな情勢です。

予想得票の検証としては、例えば高橋氏が前回2019年に得た約37万票から今回は若干減らして35万前後と見積もっています。これは投票率が前回44%から今回はやや上がることで無党派票が増え、その一部が野党側に流れるだろうという計算です。一方、板津氏は前回統一候補が得た約28.5万票より増やして30万超を狙えるとしています。これは投票率上昇分+共産不参加だった前回に比べ共産票喪失分を相殺しなお少し上積みする、という見込みです。結果として投票率50%弱なら、高橋氏と板津氏の差は数万票(5万票程度)に留まる計算になります。仮に投票率がさらに伸び55%にもなれば、その差は縮まりひょっとすると逆転可能性も生まれるでしょう。しかし現状では50%前後が妥当であり、その場合上述のような得票イメージが現実的です。

投票率の影響は他の候補にももちろん及びます。大森氏(参政党)は支持母体が無党派に近いため、投票率が上がれば票も増えます。彼の予想得票が数万票程度とされているのも、投票率次第では5万票前後取り得るとの判断です。福田氏(共産)は支持層固いため投票率による増減は小さいですが、それでも浮動票ゼロではないので多少変動します。高橋真佐子氏(NHK党)や笠間氏(無所属)は、投票率に大きく左右されない層(固定ファンや知人)から票を得るだけでしょうから、ある意味一定です。

最後に、天候や情勢によって投票率が想定より大きく変動した場合のシナリオも考えておきます。例えば台風や大雨等で投票日当日あるいは期日前期間後半に荒天となれば、高齢者ほど投票を控える傾向があり、与党側の組織票に影響が出ます。その際若年層は意外とネットで情報収集して期日前に済ませたりしますから、波乱要素となり得ます。ただ今回の予報では投票日は概ね晴れる見込みで、大きな自然要因は無さそうです。また直前の全国ニュースで政権に極めてマイナスな事件(閣僚スキャンダル等)が出れば投票率が跳ね上がる可能性もありますが、今のところ大きな不祥事は報じられていません。

以上を踏まえると、予想では投票率約50%、高橋氏35万票台・板津氏30万票前後、他候補合計で15万票弱という前提になっています。この投票率前提は過去のデータや情勢から見て妥当であり、大きく外れる可能性は低いと考えられます。したがって、投票率と得票数の見積もりに関しても、予想の妥当性は高いと言えるでしょう。

総合評価と当落予想の妥当性

以上の各論点を総合すると、今回の参院選栃木県選挙区の当落予想は「現職の自民党・高橋克法氏が優位を保ち当選、立憲民主党・板津由華氏が善戦及ばず次点」という見通しが強く支持されます。その根拠を改めて整理します。

第一に、栃木県の保守的な政治風土とそれによる組織票の存在が、高橋氏の土台を盤石なものにしています。過去の選挙データが示す通り、一人区化以降の栃木では自民候補が一度(2007年)を除き勝利しており、その背景には農村部を中心とした保守層の厚い支持があります。高橋氏の後援会組織や支持団体(農協・商工団体・自治体議員ネットワーク等)は、多少の逆風では崩れない強固なもので、予想でも35万票以上という高得票の根拠となっています。実際2019年にも高橋氏は53.5%の票を獲得しており、今回仮にそれを若干下回ったとしても依然過半数近い得票率が見込まれます。

第二に、野党側の共闘体制の不完全さが板津氏の苦戦要因です。立憲・国民・社民・連合は板津氏一本化でまとまったものの、共産党が別候補を立てたことで野党票が割れる構図になりました。2019年には共産党推薦まで取り付けて約41%を得票した野党統一候補が今回は存在せず、板津氏は共産支持層をほぼ取り込めません。共産党の県内得票は5%前後あることから、その分を失う板津氏が逆転勝利するのはハードルが高いと言わざるを得ません。予想でも板津氏の得票は30万票弱、得票率にして約40%程度と算出されていますが、これは共産支持層抜きで無党派票をかなり取り込んだ数字です。加えて過去の栃木で野党候補が勝つには50%以上の得票が必要だったことを鑑みると、今回はそこまで届かない可能性が高いです。

第三に、国政上の逆風はあるものの決定打に欠ける点が与党現職を救っています。確かに裏金問題や物価高対応への不満などで与党への批判はありますが、それが「野党に任せよう」という大きなうねりになるほどではありません。石破政権への期待・不満は入り混じっていますが、例えば支持率が大きく急落しているわけでもなく、「過半数割れ望ましい」が49%と賛否伯仲の状況です。無党派層も野党系に流れる傾向は見られるものの、先述の通り参政党など第三勢力にも分散しています。共同通信の世論調査では比例区投票先で自民18%、立民(立憲民主党)はそれ以下、参政党が両者を上回るというデータもあり、必ずしも野党第1党が信任を得ているわけではありません。栃木でも板津氏個人への評価はともかく、立憲民主党や旧民主党への根強い不信感がある有権者は少なくなく、「野党に任せても変わらない」という諦めもあります。現に前回2022年参院選では、野党統一候補で元民進党県議だった田野辺氏が善戦しつつも与党に20ポイント以上の大差をつけられています。今回板津氏は新顔であり刷新感はあるものの、立憲民主党という政党名だけで敬遠する層も一定数いると考えられます。その意味で、政権批判票が直ちに板津氏の得票激増にはつながらないでしょう。

第四に、SNSや若者の動きは一部追い風でも、投票全体を覆す規模ではない点も重要です。ネット上では板津氏や大森氏らへの支持が可視化され盛り上がりを見せていますが、前述したように高齢層・組織票の比重が依然高い栃木ではネット世論がそのまま結果に結びつきません。20代・30代の投票率も劇的に上がる兆しはなく、仮に前回より上がったとしても高齢層の投票率の方が依然高い水準です。つまり、若者・無党派の一部が板津氏支持に回っても、保守系シルバー層の厚みに埋もれてしまう可能性が高いわけです。この構造は日本全体で見られるもので、栃木でも顕著です。「結局組織と高齢者が強い」という現実が、予想の前提にあります。

以上の理由から、当選は高橋克法氏(自民現職)という予想は極めて妥当と評価できます。得票数予想も、高橋氏が約35~36万票、板津氏が約30万票前後との数字は、過去実績や現在の支持構造から算出して無理のない範囲です。実際、2019年に高橋氏37.3万票 vs 野党統一加藤氏28.5万票という結果が出ており、今回それに近い数字が予想されるのは自然なことです。ただし前回比で野党側が票を伸ばし差が縮まると見ている点がポイントで、これは国政状況や板津氏個人の奮闘を考慮したものです。高橋氏が前回より微減、板津氏が微増、差は5万票程度という予測は、共産票割れというマイナス要素と無党派票増というプラス要素を差し引きして導いた合理的な推計です。

他の候補の得票についても、参政党の大森氏が数万票(おそらく5万弱)との予想は、参政党が全国で一定支持を集めつつある点と前回栃木県でみんなの党等第三勢力が取った規模(2013年約20万票、2010年約22万票など)のスケールダウン版として納得できます。今回は第三勢力が参政党のみでなくNHK党・無所属もいますが、NHK党や笠間氏は1万票以下と見積もっており、残りを参政党が取る形で辻褄が合います。共産党の福田氏については、2010年3.19%(約2.8万票)、2013年5.28%(約4.1万票)という実績から、今回はそれらの中間程度(3~4万票)を予想しています。福田氏個人は前回候補のなかった地域への共産支持票を引き出せるため、3万台半ばくらいの票は十分あり得る数字です。これも予想の範囲内です。NHK党高橋真佐子氏は前回2019年に諸派候補が5.52%(3.85万票)でしたが、当時のN国ブームほどの勢いは今なく、前回2022年では2.83%(2.3万票)に留まりました。今回は2~3%程度(1~2万票台)という予想ですが、これも妥当でしょう。無所属笠間氏は特筆の選挙運動をしていないため1%以下(数千票)と見ていますが、実際そうなっても不思議ではありません。これら細部の数字も、各勢力の現状から鑑みて大きなズレはないように思われます。

総合評価すると、「改選1の栃木県選挙区は自民現職が地力を発揮し、野党新人は善戦するも届かず」という当落予想は、データと情勢に基づいた説得力のある分析といえます。提示された得票数予想も5000票や1万票単位の誤差はあり得るものの、大筋でその通りの結果になる可能性が高いでしょう。逆転シナリオがあるとすれば、投票率が想定以上に上がり無党派票が野党に雪崩を打つ場合ですが、その兆候は限定的であり、まずは現行予想を支持する材料の方が揃っています。

もちろん選挙は「水もの」であり、最後まで何が起こるか分かりません。しかし、本稿で論じてきた根拠に照らせば、少なくとも現時点での情勢判断として予想された当落・得票数は妥当性が高く、蓋然性のあるものと言えるでしょう。栃木県の有権者の選択は、これまでの傾向と変わらぬのか、それともサプライズがあるのか――開票結果が予想通りになるかどうか、注目して見守りたいと思います。

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