参院選2025 富山県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
2025年参院選・富山県選挙区の情勢を、候補者や政党の動向を踏まえて詳しく予測します。
👉 他の選挙区の予想一覧はこちら
富山県 選挙予想の解説
当選予想:堂故茂氏(自由民主党現職)が富山県選挙区で議席を獲得すると予想します。保守層の固い支持基盤と公明党の推薦支援も受けており、得票数では他候補を大きく引き離す見通しです。一方、野党系の新人候補である庭田幸恵氏(国民民主党)は善戦が予想され、富山市など一部地域では堂故氏と接戦に持ち込む勢いですが、最終的には及ばない可能性が高いとみられます。そのほかの坂本洋史氏(日本共産党)、田保智世氏(参政党)、佐藤明氏(NHK党)の3氏は支持層の広がりに欠け、大差で及ばない見込みです。
以下では、この当選予想に至った根拠について、過去の選挙結果や富山県の政治的背景、最新の世論調査結果、候補者の選挙戦略・SNS動向、想定される投票率など複数の観点から5000字以上の詳細分析を行います。
北陸・甲信越エリアでは、以下の選挙区も注目されています。
👉 石川県の予想
👉 福井県の予想
👉 新潟県の予想
富山県「保守王国」の政治風土と過去の選挙結果
富山県は 「保守王国」 と称されるほど長年にわたり自由民主党候補が強さを発揮してきた選挙区です。第9回参院選(1971年)以降、2007年まで参院富山選挙区では自民党候補が補欠選挙を含めて13連勝を続けていました。これは全国的に見ても突出した保守支持の厚さを示すものです。
しかし、2007年(第21回参院選)では例外が起きました。当時の与党・自民党への逆風(年金記録問題など)の中で、民主党・社民党・国民新党が推薦した無所属新人の森田高氏が、自民現職の野上浩太郎氏を破り、富山県選挙区で戦後初めて自民党以外の候補が当選する波乱がありました。森田氏は約29万1714票(得票率50.14%)を獲得し、約26万5882票(45.70%)の野上氏に僅差で競り勝っています。このように野党系統一候補が一本化され、かつ国政で与党不利な追い風が吹いた場合には、富山でも保守独占が崩れる可能性が実証された形でした。
その後、2010年(第22回参院選)では自民党の野上浩太郎氏が約32万2739票(56.23%)を獲得し、民主党新人の相本芳彦氏の約22万3691票(38.98%)を退けて議席を奪還しています。民主党政権下で与野党対決の色が濃かった2010年には投票率も64.86%と高く、有権者の関心が高まった中で自民候補が盛り返した格好です。以降、再び富山は自民候補が安定して議席を守る展開に戻り、2013年参院選では堂故茂氏(今回の候補)が初当選し約32万8638票(77.05%)という圧倒的得票率で勝利しています。
直近の前々回・2019年参院選(第25回)でも、堂故茂氏(自民現職)は約27万票を獲得し、国民民主党新人の西尾政英氏(立憲民主党・社民党推薦)に約13万4625票対で 2倍以上の大差 をつけ当選しました。このとき西尾氏は複数野党の支援を受けましたが得票率33.3%に留まり、自民候補の壁を崩すには至りませんでした。投票率も46.88%と低調で、組織票に勝る与党有利の展開でした。
一方、前回・2022年参院選(第26回)は富山県選挙区のもう1議席(野上浩太郎氏の改選)をめぐり行われましたが、この時は主要野党がそれぞれ候補を擁立し分立しました。結果は野上浩太郎氏(自民現職)が約30万2951票(68.77%)を集めて圧勝し、日本維新の会や立憲民主党など野党候補4人はそれぞれ得票率10%前後以下にとどまっています。共産党の坂本洋史氏(今回も立候補)はこの時約2万6493票(6.01%)を獲得しましたが、全体に野党票が分散したことで自民独走を許した格好です。
以上の歴史から言えるのは、富山県選挙区では野党が候補を一本化しない限り自民党候補が極めて有利であること、そして野党統一候補を立てたとしても全国的な政権追い風など特別な状況がなければ勝利は難しいという点です。今回(2025年)は主要野党第一党の立憲民主党が独自候補を出さず、事実上国民民主党の庭田幸恵氏に野党票が集まりつつある構図ですが、共産党も坂本氏を擁立しており完全な一本化には至っていません。そのため、「森田氏が勝利した2007年」のような野党大連合の態勢にはなっておらず、この点が当選予想を左右する大きな要素になっています。
全国的な政党支持の流れも踏まえたい方は
👉 比例代表の予想記事はこちら
最新情勢:序盤の世論調査では与野党接戦との分析
そうした中で迎えた2025年参院選・富山県選挙区ですが、序盤情勢の世論調査では 「自民現職の堂故氏がリード、国民新顔の庭田氏が追う展開」 との分析結果が相次ぎました。朝日新聞の情勢調査記事(7月5日付)も「庭田氏と堂故氏が接戦」と伝えており、複数の報道機関が与野党一騎打ちに近い構図で競り合っていると報じています。実際、共同通信社が公示直後に実施した電話調査を分析した北日本新聞の記事でも、序盤は「堂故氏優位、庭田氏追う」「田保氏・坂本氏は支持広がり欠く」とされ、両氏の一騎打ち的情勢が浮き彫りになっています。
富山県全体の支持構造を詳しく見ると、やはり与党候補である堂故氏には 自民党支持層の堅固なバックアップ があります。自民党および公明党の支持層のうち、序盤調査で約5割が堂故氏に投票意向を示し、残り約4割が態度未定という状況でした。さらに堂故氏は、公示前の4月時点で公明党から公式推薦を受けており、与党陣営の組織戦を盤石に固めています。このため、今後公明支持層の票も上積みされるとみられ、組織票の面では堂故氏が大きくリードしていると考えられます。
一方の庭田幸恵氏は、前述のように他主要野党(立憲民主党や社民党など)の公式推薦こそ得ていないものの、無党派層や若年層から比較的高い支持を得ている点が注目されます。ある調査では、「支持政党なし」の無党派層で最も支持を集めていたのは庭田氏で、次いで堂故氏、田保氏の順となっていました。無党派層の約7割はなお態度未定でしたが、この層は伝統的に与党批判票が流れやすい傾向もあり、庭田氏はそうした浮動票の取り込みを狙っています。また、支持層の年代別構成では、堂故氏の支持者の半数以上が60代以上の高齢層で占められるのに対し、庭田氏・坂本氏・田保氏はいずれも50代以下の現役世代からの支持が多いという調査結果も出ています。特に庭田氏は元アナウンサーという経歴や子育て世代へのアピールもあり、30~50代の有権者に浸透しつつあるようです。
さらに、今回の選挙戦では富山1区(富山市など旧富山県東部地域)で発生した与党側の不祥事が影響している可能性も指摘されています。自民党の田畑裕明衆院議員が2023年末に「党員不正登録」問題で離党勧告を受けた件は県内で報道されており、その地元である富山1区では与党離れが起きているとの見方があります。実際、富山市を中心とする富山1区エリアでは堂故氏と庭田氏が「横一線」で拮抗しているとされ、保守王国の牙城であるはずの地域でも接戦となっていることが序盤調査で示唆されました。対照的に、富山2区(県東部・新川地区)では堂故氏がややリード、富山3区(県西部・高岡・砺波地区)では堂故氏が明確にリードして庭田氏が追う展開とされており、地域ごとに与野党支持の濃淡がある状況です。この富山1区での競り合いは、前述の田畑議員の問題に加え、庭田氏自身が富山市在住で地盤としていることも影響しているとみられます。
以上を総合すると、序盤の情勢では堂故氏が依然優位を保つものの、庭田氏も県内の一部地域や無党派層を中心に善戦しており、従来の富山選挙では稀に見る接戦になりつつあると言えます。特に「物価高・景気対策」など生活課題に対する評価が投票行動に影響を与えており、政府の経済政策を「評価しない」有権者では庭田氏(次いで田保氏)の支持が最も多いというデータもあります。逆に「政府を評価する」層では堂故氏支持が最多で、このように政策への満足度によって支持がくっきり分かれている状況です。物価高や景気への不安が争点になるほど、与党への批判票が伸び、接戦がさらに激しくなる可能性があります。
選挙戦略・SNS動向:候補者の訴えと支持拡大の取り組み
今回の参院選富山県選挙区では、各候補者と支援陣営が積極的に選挙運動を展開しており、党首級の応援も相次いで富山入りしています。中盤戦に差しかかった7月上旬には、自民党から小渕優子組織運動本部長が来県し、地元行事に絡めたユーモアを交えつつ聴衆に堂故氏への支持を訴えました。また、自民党は茂木敏充前幹事長や小泉進次郎農相(高い知名度を持つ若手政治家)を応援に投入するなど、本腰を入れて票固めに動いています。公明党や県内保守系団体も総力戦で堂故氏の組織票をまとめにかかっており、「中盤戦で一気に差を広げたい」(堂故陣営幹部)との声も伝わっています。
一方、野党側も負けてはいません。庭田幸恵氏の陣営には国民民主党の榛葉賀津也幹事長が駆けつけ、富山駅前で「富山で大金星を取るチャンス。目的は挑戦じゃなく当選だ」と熱弁を振るい支持者を鼓舞しました。さらに庭田氏の所属する国民民主党の玉木雄一郎代表も7月8日に富山入りし、直接支援を訴えています。立候補者を出していない他党も比例区票の掘り起こしを狙って続々と幹部を投入しており、立憲民主党の西村智奈美氏や日本維新の会の馬場伸幸前代表、れいわ新選組の高井崇志幹事長らが相次いで来県しました。こうした動きからは、「保守王国富山でも今回は付け入る隙がある」と野党側が判断している様子が伺えます。実際、全国的にも岸田政権・自民党に逆風が吹く中、与野党問わず富山における貴重な一議席を巡って少しでも有利な流れを作ろうと躍起になっている状況です。
候補者個人の選挙活動にも特徴が見られます。堂故茂氏は地元県議・首長経験者ら地盤のネットワークを総動員し、高齢層にもリーチできる地域集会や後援会回りを精力的にこなしています。SNSにも公式アカウントを持ち、InstagramやX(旧Twitter)で活動報告を発信していますが、フォロワー数は数百人規模と限定的で、主に従来型の対面活動が中心と見られます。一方、庭田幸恵氏は元テレビアナウンサーという経験を生かし、街頭演説でも明るく親しみやすい語り口で有権者にアピールしています。彼女はInstagramやTikTok、X(Twitter)、YouTubeなど複数のSNSアカウントを開設し、日々の活動や政策を発信して支持層拡大を図っています。特にInstagramでは子育て世代に向けたメッセージ発信、Xでは政策に関する意見表明や他県の仲間とのやり取りを積極的に行い、支持者からの反響も増えてきています。また庭田氏の後援会はX上でハッシュタグ「#庭田ゆきえ」を付けた情報発信や、事務所前でのウェーブ(手振り)活動を呼びかけるなど、新しい選挙ボランティアのスタイルも取り入れています。これらSNS戦略は、組織基盤が弱い新人候補にとって有権者と直接つながる重要なツールとなっており、庭田氏の知名度向上と支持拡大に一定の貢献をしていると考えられます。
坂本洋史氏(共産党)は、党県委員長・県書記長として9回もの国政選挙に挑戦してきたベテランですが、今回も支持基盤は共産党支持層が中心です。SNSよりも従来からの支持者ネットワークや街頭宣伝活動に重点を置いており、党本部から小池晃書記局長が応援に来県するなど組織戦を展開しています。田保智世氏(参政党)は今回が初の国政選挙挑戦で、震災以降に環境問題などに関心を持った市民活動家という経歴です。参政党はYouTubeやインターネット放送で支持を広げてきた経緯があり、田保氏自身もSNSやオンライン発信を通じて独自の支持層に訴えています。参政党の神谷宗幣代表も7月16日に富山入りし直接支援する予定で、組織力こそ大手政党に劣るもののネット上の結集力でどこまで票を伸ばせるかが注目されます。
佐藤明氏(NHK党)は公示直前の6月30日に擁立が発表された経緯もあり、選挙運動は限定的です。NHK受信料問題を主張する政治団体(旧称:NHK党、現称は政治家女子48党)所属で、SNSでは党首の動画などを拡散していますが、本人の知名度は低く供託金没収ライン(得票率10%未満)を超えるのも難しい状況とみられます。
全体として、堂故氏は従来型の地盤固めと有権者回りで着実に支持を固め、庭田氏はSNSや無党派層への訴えで追い上げるという構図になっています。各陣営とも中盤以降は応援弁士の投入で勢いをつける作戦が取られており、終盤にかけてどこまで支持を広げられるかが勝敗を決する見通しです。
想定される投票率とその根拠
予想投票率:50%台前半(約50~55%程度)と見込まれます。具体的には前回2022年参院選の富山県における投票率51.37%と同水準か、接戦状況による関心の高まりでもう少し上乗せされておよそ52~53%前後になる可能性があります。
この根拠としては、まず有権者の選挙への関心度が2019年より上がると予想される点が挙げられます。2019年参院選(堂故氏が初当選した回)は投票率46.88%と低迷しました。これは与野党の力関係が明確で争点も乏しかったためと考えられます。しかし、今回は「事実上の与野党一騎打ち」で情勢が緊迫しているため、関心が高まりやすい状況です。実際、序盤戦から各候補の舌戦が伝えられ、「選挙戦の行方次第で結果が左右される」と陣営関係者が述べるほど熱気を帯びています。接戦ムードは有権者の投票意欲を喚起する傾向があり、支持者の組織的な票固めも普段以上に活発になるでしょう。
また、前述のとおり物価高や経済政策など有権者の関心が高い争点が存在しており、これも投票率を押し上げる要因です。「暮らしに直結する物価高が争点となれば、投票率も注目される」との指摘もある通り、自分たちの暮らしへの影響が意識されるほど投票行動につながりやすくなります。
他方で、高齢者を中心とする保守層はもともと投票意識が高く、一方の若年層・無党派層は投票率が低めです。ただ今回はその無党派層への働きかけが野党陣営から強まっているため、ある程度は投票所に足を運ぶ人が増えることも考えられます。加えて、過去の例では競り合いの激しかった2010年参院選(富山)は64.86%と高投票率でした。さすがに当時(政権交代期)ほどには至らないとしても、「勝つか負けるか分からない」という緊張感は有権者の関心を引き上げ、2019年や2022年より高い投票率につながる可能性が高いでしょう。
以上から、投票率はおおむね50%台前半と予想し、その場合有効投票数は約45万~47万票程度になる見通しです。投票率の上下は両陣営の組織動員や情勢のさらなる接近によって変動し得ますが、大勢に影響するほど極端に低下・上昇する可能性は低いと考えられます。
当選予想の根拠と結論
以上の分析を踏まえ、本選挙区では堂故茂氏(自民現職)の当選が有力と予想されます。その主な根拠を以下にまとめます。
- 保守系支持層の盤石さと組織票: 富山県は伝統的に自民支持が厚く、堂故氏は現職の強みも活かして保守層の支持を固めています。公明党が公式推薦し与党の組織戦が展開されていることから、基本票の積み上げで庭田氏をリードしています。2019年には自民候補(堂故氏)が野党候補を2倍の得票で圧倒した実績があり、今回もまず20万票台半ば以上の得票は固いと見られます。
- 野党票の分散: 庭田氏は事実上主要野党の受け皿となっていますが、共産党の坂本氏が独自に立候補しているため一部リベラル票が割れます。またNHK党・参政党といったミニ政党候補も合計で数万票規模は集める可能性があり、野党・無党派票が庭田氏に集中しきれない構図です。実際前回2022年は野党乱立で自民候補が約7割という異例の高得票率を得ました。今回はそこまでではなくとも、坂本氏・田保氏らが合計数万票規模をそれぞれ得ると予想され、庭田氏との差を埋める上でハンデとなります。
- 堂故氏の地元実績と知名度: 堂故氏は元氷見市長・富山県議でもあり地元政治家としての顔が広く知られています。現在も国政で国土交通副大臣など要職を歴任しており、県内各界とのパイプを背景に「実績ある候補」として支持を訴えています。特に高齢層には知名度と信頼感で庭田氏を上回り、前回2022年野上氏が得た約30万票には届かずとも20万票台後半に迫る票を固める可能性があります。
- 庭田氏の奮闘と限界: 庭田氏は新人ながら健闘が期待され、先述のとおり富山市などでは堂故氏と互角に渡り合う支持を得ています。SNSや若年層への浸透も富山の選挙としては新しい展開で、序盤情勢を接戦に持ち込んだ要因です。しかし、国民民主党という政党の県内組織力は自民党に比べ弱く、浮動票獲得にも限界があります。仮に庭田氏が前回2019年に野党統一候補が得た約13万票を上回り15万票超を獲得したとしても、堂故氏の想定得票にはなお届かない計算になります。また前述の通り坂本氏(共産)が一定の左派票を持っていくため、庭田氏が勝利に必要な20万票規模に肉薄するシナリオはやや厳しいと判断されます。
- 有利な国政環境: 岸田政権への逆風はあるものの、足元では直近の内閣改造や経済対策などで支持率下げ止まりの傾向も伝えられています。一方、野党側も立憲民主党・維新などとの競合や共闘不調があり、全国的な大きなうねりは生じていません。このため、「与党大敗・野党大勝」という全国的潮流が起きにくく、富山でも極端な票崩れは起きないと考えられます。むしろ保守地盤の強みがじわじわ効いて最終的に堂故氏が逃げ切る可能性が高いでしょう。
以上より、当選予想は「堂故茂氏が僅差を広げて勝利」という結論になります。一議席のみをめぐる戦いで、序盤は接戦と報じられましたが、組織力と知名度で勝る堂故氏が終盤戦でリードを保ち、そのまま逃げ切る展開を予測します。庭田氏は健闘するものの届かず次点、坂本氏以下の3候補は大差で及ばずという順位予想です。
もっとも、投開票日までに有権者の意識が変化したり、想定以上に庭田氏への追い風が吹いたりする可能性もゼロではありません。特に無党派層の動向は最後まで読み切れず、接戦地区での票差次第では番狂わせ(野党大逆転)の余地も残されています。陣営幹部らも「中盤戦で流れを掴めるかで結果が左右される」と述べ危機感を強めています。このため両陣営とも気を緩めず終盤戦に挑むでしょう。我々としては現時点の情勢・データに基づき堂故氏優位と判断しましたが、最後まで情勢を注視していきます。