参院選2025 和歌山県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
2025年参院選・和歌山県選挙区の最新情勢を予測・分析しています。
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和歌山県選挙区の予想投票率とその根拠
予想投票率:55%前後(約5割台後半)
前回2019年の和歌山選挙区投票率は50.42%と低調でした。しかし今回は過去最多7人の候補が乱立し保守分裂の激戦となっており、有権者の関心は高まっています。実際、選挙人名簿登録者約76万人のもと、主要紙は52.42%(2022年参院選時)の投票率を前提に約40万票規模の争いになると試算しています。保守王国と呼ばれる和歌山で、長年続いた安定政局に「紀州戦争」とも称される自民党内の対立が持ち込まれたことで、有権者の危機感が喚起されていると考えられます。実際、昨秋の衆院和歌山補選で自民分裂選挙が起きた際も有権者の注目を集めました。今回も世耕弘成氏 vs 二階俊博氏という実力者同士の代理戦争の様相が色濃く、組織戦だけでなく支持層争奪戦が展開されているため、投票率は前回より上昇すると予想します。
激戦の構図:保守分裂と野党共闘の不完全さ
和歌山県選挙区(改選数1)は新人7人という史上最多の候補者数となり、かつてない激戦模様です。最大の焦点は「保守分裂」の行方です。1998年以来この議席を守り続けてきた自民党の世耕弘成氏(前参院幹事長)が派閥の裏金問題で離党し、昨秋衆院選で二階俊博氏の三男・二階伸康氏を破り和歌山2区で当選。その流れを受け、参院選では**自民党公認の二階伸康氏(47)と、世耕氏が支援する無所属の望月良男氏(53)**が事実上の一騎打ちを繰り広げています。自民党は「王国」と称される地盤を死守すべく二階俊博元幹事長の威光と組織力を総動員。一方、世耕氏側は地元で4期16年務めた元有田市長の望月氏を擁立し、支持基盤を分裂させる構えです。保守陣営が二手に割れたことで野党側に漁夫の利の可能性もありましたが、立憲民主党は候補者を立てず日本維新の会と一本化する策を取ったものの野党共闘は不完全に終わりました。結果として、自民VS無所属(世耕支援)の事実上の保守決戦に、維新・参政など第三極勢力が絡む多角構図となっています。
主な候補の戦況と支持動向
▲二階 伸康(自民党) … 「当選予想」(予想得票:約16万票)
現職衆議院議員・二階俊博氏の三男で、党本部公認の新人候補です。昨秋の衆院和歌山2区補選で世耕氏に敗北した雪辱を期し、「声をカタチにする即戦力」をキャッチフレーズに背水の陣で臨んでいます。県内各地で辻立ちや自転車遊説を重ね、教育・子育て支援、防災インフラ整備、農林水産業振興など幅広い政策を訴求。陣営は昨秋得票した約7万1千票(衆院2区)からの上積みと、最大票田である和歌山市での支持拡大に全力を挙げています。序盤情勢では、自民党支持層の約4割を固め、公明党支持層からも過半数近い支持を得て優位を狙います。公明党は自主投票ながら二階氏に流れる票が多く、公明支持者の「5割強」をまとめているとの調査もあります。他方、保守分裂で一部保守票が流出し、自民王国の盤石さは崩れています。それでもなお残る党組織力と知名度は強力で、「父の七光り」を批判する声を押し切りつつも固い基礎票を持つ点は有利です。二階氏自身も敗北経験を踏まえ「生活者視点で寄り添う政治」に原点回帰する姿勢を示し、有権者の信頼回復に努めています。接戦の相手は強力ですが、組織票の総合力では僅差で上回ると見られ、当選圏内と予想されます。
▲望月 良男(無所属) … 「次点予想」(予想得票:約15万票)
世耕弘成氏が支援する保守系無所属の新人で、前有田市長(4期16年)の実績を持ちます。4月の出馬表明以降、和歌山県全域を4巡する勢いで精力的に遊説し、各地でミニ集会を開催。「地域の課題は国の課題」と訴え、有田市で取り組んだ政策モデルを県全体へ拡張するビジョンを強調しています。支持者からは地方行政の経験を国政に活かす実務力への期待があり、「命を燃やして県や国のために働きたい」という熱いメッセージで草の根の支持を拡大中です。序盤の世論調査では、自民支持層の約3割強を切り崩し、公明支持層の3割強も取り込むなど幅広い層に浸透しつつあります。これは保守層の約半数が望月氏支持に回っている計算で、世耕氏個人の影響力と望月氏自身の知名度が反映された数字です。加えて無党派層や地域有権者からの支持も集めており、自民候補とほぼ互角の激戦状態との報道があります。SNS上でも「#さぁいこう走れもちづき」というハッシュタグを掲げた選挙活動を展開し、橋下市や有田市での街頭演説の様子がX(旧Twitter)やInstagramで発信されています。著名パティシエの鎧塚俊彦氏が応援に駆けつけたことも話題となり、インターネット上でも「地方から日本を再起動」とのキャッチフレーズが共感を呼んでいます。最大の課題は組織的後ろ盾の弱さですが、世耕氏の後援会ネットワークと自身の地元基盤をテコに支持を伸ばせるかが鍵です。現時点では二階氏と*「激しい戦い」*を演じており、情勢次第では逆転勝利の可能性も十分あります。
▲浦平 美博(日本維新の会) … (予想得票:約5万票)
維新の会公認の新人候補。元和歌山市議・現県議という経歴を持ち、維新と立憲民主党の事実上の統一候補として野党勢力の一部結集を背負います。掲げる政策は「今の延長線上に未来はない」という問題提起のもと、グリーン・ブルーカーボンによる脱炭素社会と地域活性化の両立、和歌山駅高架化や大阪との連携強化、現役世代を支え高齢世代を支える社会づくりなど多岐にわたります。「政治の信頼を取り戻すには身を切る改革を実行している維新しかない」とクリーンな政治姿勢を強調し、保守分裂に乗じた改革勢力の台頭を訴えています。しかし序盤の情勢分析では、浦平氏は他主要候補に遅れをとり*「苦しい展開」*と報じられています。立憲との候補一本化で一定の組織票上積みはあるものの、保守同士の争いが注目を集める中で埋没気味となり、支持は伸び悩んでいる模様です。また、選挙戦中盤には浦平氏が過去に高校教師として体罰事件を起こし有罪判決を受けていた事実が明るみに出て、X上で批判が拡散するトラブルも発生しました。2003年当時、顧問を務める剣道部で生徒に暴行し懲役1年6ヶ月執行猶予3年の判決を受けていた経歴が報じられ、維新公認の是非にも疑問の声が上がっています。この不祥事報道は終盤戦の逆風となり、支持拡大に水を差す可能性があります。浦平氏としては、維新への期待感(大阪での実績や改革イメージ)を訴求しつつ、立憲など他党支持層からの票をどこまでまとめられるかが勝負ですが、現状では当選圏には届かず第3位前後に留まる見通しです。
▲林元 政子(参政党) … (予想得票:約2.5万票)
保守系新党・参政党の公認新人で、看護師出身の女性候補です。6月以降は県内全域で1日6ヶ所の街頭演説を精力的にこなし、演説後には支持者とのお茶会やミニ集会を開く地道な運動を展開しています。主張の柱は「日本人が日本人であり続けるために」とのスローガンのもと、消費税の段階的廃止、行き過ぎた外国資本や移民受け入れの規制強化、少子化対策や一次産業保護など愛国色の強い政策です。いわゆる右派層・保守層の受け皿として、「国民のための政治を取り戻す」と訴えています。参政党は前回2022年参院選で初議席を獲得した新興勢力で、全国的に熱心な支持者コミュニティを持つのが強みです。林元氏もSNSで政策発信を行い、街頭演説のライブ配信などネット露出にも努めています。しかし、和歌山では党組織が弱く知名度も限定的で、序盤調査でも*「苦戦」*と位置付けられています。保守分裂の煽りを受けて一部保守層が参政党に流れる可能性はあるものの、大勢に影響を与えるまでには至らないでしょう。支持拡大があっても数万票規模と見込まれ、当選には届かない見通しです。
▲前 ひさし(日本共産党) … (予想得票:約2万票)
共産党公認の新人候補(69歳)。過去3回(2013年補選・2016年・2022年)に続き今回が4度目の参院挑戦となります。掲げる公約は、消費税率を当面5%に引き下げ将来的に廃止すること、最低賃金の引き上げ、大企業の内部留保への課税で年10兆円の財源を確保し中小企業支援や農家所得補償に充てることなど、物価高に苦しむ庶民の暮らしを守る左派的な政策です。和歌山市の和歌山城前で出発式を行い、党県後援会長から激励を受け第一声を発するなど、党組織ぐるみの選挙戦を展開しています。もっとも、立憲民主党が候補を擁立しなかった今回、共産党は野党勢力として孤軍奮闘する立場ですが、保守分裂の陰で埋没気味なのは否めません。序盤の報道でも前氏はその他少数候補とともに*「引き離されている」*状況とされ、支持は共産党の固定票に留まっています。過去、野党統一候補が擁立された2019年参院選では和歌山で約10万票(得票率26.2%)を獲得しましたが、今回は望月氏と浦平氏に野党票が分散するため、前氏の得票も数万票規模(5%前後)に留まると予測されます。現状、当選圏からは大きく後退しており、目標は党勢維持のための一定票獲得にシフトしている状況です。
▲本間 奈々(NHK党) … (予想得票:約0.8万票)
いわゆるNHK受信料問題を掲げる政治団体「NHK党」(現・政治家女子48党)の新人候補。北海道出身で元総務省官僚という経歴を持ち、過去には他地域の知事選や国政選挙にも立候補した全国区の活動家です。和歌山との縁は薄いものの、ネットを中心にコアな支持層を持つNHK党から擁立されました。序盤情勢では本間氏の支持は極めて限定的で、他候補から大きく水をあけられているのが実情です。選挙戦でも目立った街頭活動やメディア露出は少なく、主な訴えもNHKのスクランブル化など党の定型的主張に終始しています。SNSでは党首・立花孝志氏による応援動画が配信されましたが、和歌山県内での浸透は限定的です。予想得票数は1万票未満(得票率2%未満)と見込まれ、当選は現実的ではありません。
▲末吉 亜矢(無所属) … (予想得票:約0.5万票)
和歌山市在住の会社役員で、無所属新人として立候補しました。地域政党や主要団体の支援を受けない純粋なボランティア型の候補とみられ、知名度・組織力ともに他候補と比べて劣ります。当初、女性候補として一定の注目を引く可能性もありましたが、同じ保守系女性の林元政子氏(参政党)の陰に隠れ、支持を広げられていません。政策的にも目立った争点を打ち出せず、選挙戦では埋没気味です。ネット上の発信や街頭活動も限られており、有権者へのアピールが届いていない状況です。序盤の報道では末吉氏の名前はほとんど言及されず、*「厳しい情勢」*であるとされています。得票も数千票規模にとどまり、当選はおろか供託金没収ライン(得票率10%未満)の回避も難しい情勢です。
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当選予想の総合評価と結論
以上の分析を踏まえると、和歌山県選挙区の議席は自民公認の二階伸康氏が辛うじて守り抜くと予想します。その根拠は、世論調査で互角とされた両雄の戦いにおいても、最終的に組織票の厚みで自民候補が一歩リードすると見られるためです。二階陣営は地元有力者である父・俊博氏の影響力や、公明党支持層の過半を取り込む戦術によって約15万〜16万票規模の基礎票を固めつつあります。一方、望月良男氏も世耕弘成氏の全面支援で肉薄し、概ね15万票前後を獲得する勢いです。しかし、望月氏はあくまで無所属であり、最後の組織的追い上げで自民党の集票力に及ばない可能性が高いと判断されます。保守分裂により両者が接戦に持ち込んだ結果、勝敗ラインは15万票台半ばという高水準になりました。仮に二階氏が16万票、望月氏が15万票台前半を獲得すれば、両者の票差は僅か数千〜1万票程度の接戦となるでしょう。これほどの激戦ゆえ、終盤の情勢変化や無党派層の動向次第で逆転も起こりえます。特に投票先未定の有権者が依然4〜5割存在するとの調査結果もあり、情勢が最後まで流動的である点は留意が必要です。
政党ごとの全国的な得票動向はこちらから確認できます。
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残る5候補については、得票数で浦平氏(維新)が次位集団の先頭につける見込みです。維新・立憲の支持を集約できれば5万票前後も視野ですが、保守勢力2名には届かず敗退と予想されます。林元氏(参政党)は新党ながら奮闘するも2〜3万票程度、前氏(共産)は固定票中心に約2万票、本間氏(NHK党)と末吉氏は知名度不足から数千票規模にとどまるでしょう。いずれも当選ラインには遠く及ばず、票割れした上位2候補を横目に存在感を示すには至りません。
総合的に判断すると、長年続いた自民党独占体制に風穴を開ける寸前まで迫った世耕・望月陣営でしたが、最終盤での組織引き締めと知名度の差で二階陣営が僅差で逃げ切るシナリオが有力です。平成以降培われた「自民王国」和歌山の地力は依然健在であり、たとえ保守が二分された状況でも勝負所での動員力は侮れません。もっとも、かつて楽勝だった和歌山でここまで票を減らす事態そのものが、自民党基盤の動揺を物語っています。仮に予想通り二階氏が当選しても、自民党内抗争の爪痕は深く、約40%もの有権者が背を向けた現実を直視する必要があるでしょう。一方、望月氏陣営にとってもあと一歩及ばない結果は悔いが残りますが、無所属で健闘した実績は今後の和歌山政界に影響を及ぼす可能性があります。
結論:2025年参院選・和歌山県選挙区は、二階伸康氏が僅差で競り勝つと予想します。世論調査でも互角とのデータが示す通り最後まで予断を許さない情勢ですが、上述の要因を総合考慮すると当選ラインを制するのは自民党候補との判断に至りました。ただし開票結果が予測を上回る大接戦となる可能性もあり、今後の展開から目が離せません。今回の分析を踏まえ、選挙当日は票の行方を慎重に見守りたいと思います。