参院選2025 岐阜県 選挙予想(予想日:2025年7月10日)
2025年参院選・岐阜県選挙区の情勢を、候補者や政党の最新動向とともに詳しく解説します。
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過去の選挙結果と岐阜県の政党支持動向
岐阜県選挙区は2013年以降一人区となって以来、参院選では常に自民党候補が圧勝してきた実績がある。直近の2019年参院選でも、自民現職の大野泰正氏が約46.7万票(得票率56.4%)を獲得し、野党統一候補の立憲民主党・梅村慎一氏の約29.9万票(36.1%)に大差をつけ当選した。この時は共産党が候補擁立を見送り、主要な反自民票が立憲候補に集約された背景もある。
しかし今回は、当時当選した大野氏が自民党の裏金事件による在宅起訴で党を離れ、不出馬を表明したことで12年ぶりに現職不在の新人対決となった。自民党県連は急遽、若井敦子氏(県議3期・空手家出身)を後継候補に擁立したが、大野氏が無所属で出馬する可能性も取り沙汰され、保守票分裂の懸念から「大野さんが出たら票が割れる」と危機感が強まっていた。最終的に大野氏は不出馬となり、自民陣営には安堵が広がったものの、「政治とカネ」をめぐる逆風(裏金問題への批判)は依然やまず、「まだ本当に油断できない」という声が党内で聞かれている。自民党は盤石とは言えない状況で選挙戦に突入したといえる。
一方、野党勢力は立憲民主党・日本共産党が競合候補を擁立し、2019年のような統一戦線は組めなかった。立憲民主党公認の服部学氏(党県連副代表)は労働組合出身で県労連議長等を歴任した経歴を持ち、連合岐阜など組合組織の支援を受けている。共産党公認の三尾圭司氏は党職員で、党の固定支持層を固めつつ支持拡大を図るが、「共産支持層以外への広がりを欠く」と報じられており、立憲支持層との競合もあって得票は伸び悩む可能性がある。
さらに、保守系・無党派層を狙う参政党の瀬尾英志氏(介護職)や、NHK受信料問題を訴えるNHK党の小池裕之氏(行政書士)、及び完全無所属の伊藤あゆみ氏(会社員)も出馬し乱戦模様となっている。瀬尾氏は新興右派系の参政党からの立候補で、地域での知名度は高くないものの、一部保守層の受け皿として一定の票を獲得する可能性がある。小池氏はNHK党の公認候補で、前回2019年参院選で同党候補が岐阜で約6.2万票(7.5%)を得た実績もあるが、今回は類似主張の諸派が複数あるため当時より苦戦すると予想される。伊藤氏は昨年の衆院補選岐阜2区にも無所属出馬した経歴があり、“しがらみなき市民目線”を掲げて独自の戦いを展開している。とはいえ全国的な政党組織の支援がない分、得票は埋没気味になる公算が大きい。
岐阜県の政党支持率を見ると、自民党が依然トップで安定した支持基盤を持つ。公明党も一定の組織票を有し、今回自民候補を公式推薦している。対する立憲民主党の支持層は限られるが、無党派やリベラル層の受け皿となる。共産党は固定票があるものの前述の通り規模は大きくない。参政党やNHK党は明確な支持率データは乏しいが、参政党は国政選挙で全国区の比例票を集め始めており、一部で熱心な支持者を持つ。NHK党は党首交代後に勢いを欠き支持率も低迷傾向とされる。こうした支持動向から、自民 vs 立憲の構図が基本線となり、他の候補は大きく水をあけられるとの見方が一般的だ。
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最新の情勢分析:競り合う自民・立憲、新人対決の行方
各種報道や世論調査によると、若井敦子氏(自民)と服部学氏(立憲)が接戦を繰り広げている。選挙戦序盤の共同通信情勢調査では、*「岐阜選挙区では自民新人の若井氏と立憲新人の服部氏が激しく競っている」と分析された。毎日新聞の特別世論調査でも「若井氏がリードし、服部氏、瀬尾氏が追う」*展開と報じられており、自民優勢ながら僅差との見方が出ている。一方、共産の三尾氏について前述の通り支持層が限定的で、諸派の小池氏・伊藤氏は「独自の戦い」に留まるとも伝えられた。
若井氏は自民党の組織力に加え、公明党の推薦を得ており、公明支持層の取り込みも図る。ただし情勢調査段階では「自民に加え、推薦を受ける公明支持層も固めきれていない」ともされ、完全には盤石でない。これは前述の旧現職・大野氏のスキャンダルに伴う保守離れや、一連の物価高・政治不信の影響が一部に及んでいる可能性がある。それでも自民党本部や県連による徹底した組織戦で、各種団体や後援会を総動員した動きが見られる。実際、若井氏の陣営には地元県議や市町村議らが多数結集し、連日県内各地で街頭演説や個人演説会を開催している。選挙期間中、自民党は有力国会議員を応援に投入しており、例えば公明党の中川康洋衆院議員(東海北陸担当)が岐阜入りして若井氏の支援を呼びかけるなど、与党合同でテコ入れする姿勢が報告されている。こうした組織力・知名度の総動員により、若井氏は序盤のリードを維持し逃げ切りを図る構えだ。
対する服部氏は、立憲民主党の支持層に加え、連合岐阜など労組ネットワークをフル活用し草の根の追い上げを見せている。物価高や賃金停滞への不満が追い風となることを狙い、*「減税で負担軽減」「家計を守る」*といった経済政策を前面に訴えている。特に岐阜県では中小企業や農林業の従事者も多く、ガソリン価格高騰やコメ価格下落など身近な問題に対し、服部氏は政府与党の対応を批判しつつ自身の政策をアピールしている。街頭演説では岸田政権の物価対策の遅れを糾弾し、生活者目線での政治を強調。加えて、立憲の泉代表や野党幹部が岐阜入りして応援演説を行い、「政権への審判」を訴えるなど勢いづけを図っている。序盤こそ出遅れ感も指摘されたが、終盤にかけて無党派層の票の掘り起こしに成功すれば逆転の可能性も十分あり、僅差での競り合いとなっている。
瀬尾氏(参政党)は、「日本人のための政治」を掲げて保守層や政治不信層に訴える戦略だ。参政党の神谷宗幣代表らが岐阜市内で街頭演説を行いSNSでも拡散するなど、固定ファン以外への浸透を試みている。しかしながら組織基盤が弱く、現状では主要候補に大きく水をあけられているとみられる。それでも一部世論調査では支持率数%台を得ており、選挙区全体で5万前後の票を獲得する可能性は十分考えられる。
三尾氏(共産)は、党勢が全国的に低迷する中でも地域の共産党支持者の結集に努めている。物価高への対策や平和安全保障政策などで独自の訴えを行い、「大企業優遇の政治をただす」といった共産党らしい主張を展開。しかし前述のように支持層が限定的で、立憲候補との競合もあり、得票は数万台(おおよそ5~6万票規模)にとどまるとの見方が強い。
小池氏(NHK党)は、元NHK職員の立花孝志氏が率いていた頃ほどの注目度は無いものの、ネット上では「NHK受信料を支払わない方法」など話題性のある発信で一定の支持者を維持している。岐阜でも前回は思いのほか票を集めた経緯があるが、今回は参政党など他の「既存政党への不満の受け皿」があるため、得票3万前後と予想する。
伊藤氏(無所属)は、地元紙のインタビューで「市民の声を国政に届ける」と語り、政党に属さない強みをアピールした。一方で、知名度や後援組織の点で他候補に劣り、選挙戦でも大きなメディア露出はない。Twitter(X)やInstagramでの情報発信に注力し若者への浸透を図っているが、支持拡大は限定的で1~2万票規模にとどまる見通しだ。
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SNS動向とメディア露出:若年層へのアプローチ
今回の参院選では各陣営ともSNS(交流サイト)を積極的に活用している点が大きな特徴だ。岐阜選挙区の新人候補6人もそれぞれTwitter(現「X」)やYouTubeで政策アピールやライブ配信を行って支持拡大を狙っている。若井氏はFacebookやInstagramにも公式アカウントを持ち、空手家時代の知名度もあってフォロワーも比較的多い。応援演説や日々の街頭活動の様子を短い動画で投稿し、親しみやすさを演出する一方、炎上リスクには細心の注意を払っているという。服部氏もTwitterで物価高に苦しむ家庭の実情を写真付きで紹介しつつ、自身の政策をかみ砕いて発信している。瀬尾氏は参政党本部が用意したハッシュタグ「#日本人のための政治」などを用いて拡散を図り、神谷代表との街頭演説動画をシェアするなどネット戦略に力を入れる。三尾氏は党勢ほどにはバズっていないものの、共産党支持者がSNS上で「#三尾圭司」「#岐阜選挙区」などのタグで支援を呼びかけている。小池氏(NHK党)はYouTubeチャンネルでNHK問題について連日ライブ配信を行い固定視聴者を集めている。伊藤氏はInstagramを主戦場に日々の活動を発信しており、候補者本人の素朴な人柄が伝わる内容で一定の共感を得ている。
テレビ・新聞など既存メディアの露出では、自民・立憲の両候補が他をリードしている。岐阜新聞や中日新聞では両氏へのインタビュー記事が大きく扱われ、公約や人柄が詳報された。一方、他の4候補も選挙公報やNHKの政見放送で主張を述べているものの、一般的な報道での扱いは小さい。選挙区の有権者にとっては「与野党一騎打ち」に近い構図に映っており、SNSやビラ配りといった地道な広報活動がその他候補の生命線となっているのが現状だ。
岐阜県の予想投票率とその根拠
岐阜県選挙区の予想投票率は約55%前後と見込まれる。前回2019年参院選の岐阜県投票率は53.59%であった。今回、現職不在とはいえ与野党の競り合いが伝えられていることで有権者の関心は高まりつつあり、投票率はわずかに上昇する可能性がある。実際、共同通信の序盤情勢報道でも「激しい選挙戦が予想される」とされ、接戦報道は投票意欲を刺激する要因だ。加えて各候補がSNSや地上戦で若者層にもアプローチしている点、主要政党が組織ぐるみで支持者に投票を呼びかけている点からも、大きな棄権の増加はなさそうだ。ただ真夏の選挙であるため天候や暑さによる高齢有権者の外出控えは懸念され、投票率の大幅上昇までは至らないと考えられる。以上より前回並みかやや上積みの50%台半ばを予想した。
総合評価と当選予想の根拠
以上の分析を踏まえると、参院選2025岐阜県選挙区の当選予想は自民党公認の若井敦子氏である。若井氏は公明党推薦を含めた与党の組織力と知名度で他候補を一歩リードしており、世論調査でも先行が報じられている。大野前議員の不出馬決定により保守票分裂のリスクが消えた点も大きい。さらに岐阜県は前回まで一貫して自民圧勝の保守地盤であり、長年培われた後援会ネットワークや県議・市町村議との連携が最後まで威力を発揮するとみられる。
対する服部学氏は善戦しており、物価高や政治不信を追い風に肉薄する可能性は十分ある。特に投票日直前まで接戦が伝えられれば無党派票が流れ込むシナリオも考えられる。しかし共産党候補の存在で野党票が分散すること、岐阜県全体の保守的な政治風土は依然根強いことから、あと一歩届かないとの予測とした。それでも得票率では40%台に迫る勢いで、前回2019年より野党側は健闘するだろう。
その他の候補については、瀬尾氏(参政党)はひと桁台後半の得票率を獲得し第三位につけると見る。三尾氏(共産)は党勢から一桁前半程度の得票率で瀬尾氏と伯仲かやや下回る程度、小池氏(NHK党)は数%、伊藤氏(無所属)は1%前後に留まる見通しである。これらの票の行方も最終的な勝敗差に影響する可能性はあるが、現状では自民・立憲両氏の差を覆すほどには至らないと判断される。
繰り返しになるが、当選予想は若井敦子氏(自民)。予想獲得票数は約39万票で票率およそ45%強。次点は服部学氏(立憲)で約33万票(約38%)と接戦ながら僅差で及ばず。当選ラインに届かなかった4候補は、参政党・瀬尾氏が約5万票、共産党・三尾氏が約6万票、NHK党・小池氏が約2.5万票、無所属・伊藤氏が約1.5万票との予測となった(上表参照)。もっとも選挙は「水もの」であり、終盤の情勢変化や投票率次第では逆転劇も起こり得る。実際の開票結果がどうなるか、投票日まで目が離せない。